《視点》食品と衣料品

2017/04/19 04:00 更新


 量販店の最新決算では衣料品の苦戦が続く一方、主力の食品では順調さが目立つ。人口減少時代に入り、高齢化が進み、競合も激化しているが、食品では値上げによる単価上昇、生鮮品ではなく総菜を買う「作らない化」など高齢世帯や共働きの増加による消費変化も見られる。

 そのためか、エンゲル係数も上昇。昨年は1980年代の水準にまで戻った。少しいいものを食べたいという志向や外食を楽しむ傾向も指摘されているが、推移を見ていると、やはりリーマンショック後から上昇しており、不況による収入減でやむを得ず上がっている面もありそうだ。

 衣料品に回るお金が食品に使われ、「服は我慢しよう」「安いものでいい」と節約されているようだ。食べ物は一度レベルを上げると中々下げられないといわれる。「口が肥える」からだ。衣料品では単価アップが容易ではないが、食品のように一度着ると下げられないようなレベルを追求したいところ。衣料品でも「目の肥えた」消費者を増やしていくことも必要となってきそうだ。(茂)



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