ユナイテッドアローズ、駅ナカ業態好調

2017/02/22 07:30 更新


 ユナイテッドアローズの駅ナカ業態が好調だ。駅を利用する幅広い客層の中から、30代前後の働く女性にターゲットを絞り、品揃えや店頭での仕掛けを刷新、16年3月期は既存店売上高が16%増となった。今期も第3四半期(4~12月)まで既存店で増収を維持している。

 「ザ・ステーションストア・ユナイテッドアローズ」は11年に1号店を出した。スタート当初は交通量の多い駅に隣接する立地で、通勤、帰宅客の「ついで買い」需要を取り込もうとしたが、フリー客の比率が高く、売り上げが安定しなかった。

 駅ナカ立地でも顧客をしっかり作るため14年から戦略を見直した。メンズの靴下など、行き来する全ての客のニーズに対応するのではなく、駅周辺を通る働く女性に絞って、デイリーに使えて、通勤前や帰宅途中に買い求めたくなるようなウェアを主力品に切り替えた。

 フリーサイズのトップやウエスト部がリブになったボトムなど、試着の必要が少ない中衣料を軸にウェアの比率を上げた。同時に、1年365日の気温や天候の変化と連休やイベントなどの行事を書き込んだ「モチベーションカレンダー」を作り、時期ごとにニーズの高まりそうな商品を割り出した。

 カレンダーに基づいて女性客のニーズがつかめそうなテーマを割り出し、2週間に1回店頭のVMDも変更することにした。梅雨時にウォッシャブル機能のあるウェアや雑貨、7月には夏らしいワンピースなど、時期ごとに手に取りたくなる商品を集中して売った結果、既存店売上高が伸び始めた。

 売り上げに占めるウェアの比率が上がり、ターゲットを絞る前に比べ、客単価も1割上がった。11年以降、40~50平方メートルでの出店が中心だったが、昨年12月に出店した6店目の「エキュート品川サウス店」は駅ナカに60平方メートルで出し、試着室を増やし、オリジナルだけでなく、仕入れのブランドも置いた。

 売り場面積を大きくし、品揃えの幅を広げた結果、品川店には朝8時のオープン時に出張前の羽織りを買い求める客、夕方には保育園に子供を迎えにいく働く女性など、幅広い生活スタイルの女性客が来店し、売上高は計画以上で推移している。

 今後も2週間に1回のテーマ別VMDの精度を高め、年2~4の出店を行う計画だ。

月2回のVMD変更でその時売りたい服をしっかり見せ、顧客をつかんだ
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