原宿に帰ってきたユニクロ 「メディアとしての店」へ

2020/06/08 06:30 更新


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 ユニクロ原宿店が、6月5日オープンした。大型店ならではの豊富な品揃えに加え、音楽や映画、アートなど様々なポップカルチャーと協業するUTで世界最大級の売り場を設けた。自社アプリと連動し、スタイリングのヒントを画像で伝え、その場で商品を買うこともできる初の売り場もある。物販のほか、情報発信機能も充実させた原宿店は「ライフウェア=究極の普段着」というユニクロのコンセプトを来店客に伝える「メディアとしての店」を目指す考えだ。

(柏木均之)

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アートやカルチャー

 JR原宿駅前の複合施設「ウイズ原宿」の1階、地下1階にある店舗は、売り場面積1980平方メートル。1階と地下の一部はUT専用の売り場「UTポップアウト」。電光掲示板や鏡を使用し、07年に原宿に出したUT1号店をほうふつとさせる内装だ。様々なポップカルチャーと協業を重ね、ラインナップが拡大した現在の商品全てを集めた。オープン時には20年春夏に協業した1000種の商品が並ぶ。

国内最大級のUT売り場には1000種類のTシャツや雑貨

 目玉企画の一つが「ビリー・アイリッシュ×村上隆」で、Tシャツなどの販売だけでなく、村上氏が原宿店のために制作した全長3メートルの「ビリー・アイリッシュ」像も期間限定で入り口付近に設置した。商品以外の展示にも趣向を凝らし、映画や漫画、アートから音楽まで魅力のあるカルチャーの全てと協業し、発信するというUTの姿勢を伝える狙いがある。

入り口すぐに置かれた3メートルのモニュメントは村上隆氏が制作。UTの協業Tシャツを着ている

 地下1階には、着こなし発見アプリの「スタイルヒント」をフィーチャーした売り場がある。壁面に配した240のディスプレーが、ユーザーや店舗スタッフの投稿したコーディネート画像を映し出す。好みの着こなしをタップすれば、使われているユニクロ商品が売り場のどこにあるか、ユニクロ以外のブランドなら似た色やデザインの商品がどれなのか教えてくれる。

 これまでパーツとしての服を売る、というスタンスが強かったユニクロだが、「スタイルヒント原宿」ではアプリ画像を起点に商品を選んでもらうことで、来店客にコーディネートのコツやトレンドなどの情報も伝え、店舗での買い物体験の付加価値を高めようとしている。

240のディスプレーを配した「スタイルヒント原宿」
スタイラスで好みのコーディネート画像をタップすれば商品情報が表示される

若者を引きつける

 地下にある他の売り場を含め、原宿店には500品番の商品が並ぶ。品揃えの規模は他の大型店と同じだが、トルソーのコーディネートは若者の多い原宿を意識した組み合わせにしている。売り場には10~20代に人気のアーティストが選んだ音楽のプレイリストを配信する特設コーナーも設けた。

若年層の集客を意識したコーデが多い
人気のアーティストが選んだプレイリストの配信サービス

 コロナ禍でインバウンド(訪日外国人)需要が見込めないこともあり、土産物っぽい商品は少なめだが、UTの売り場ではノートや豆皿などアパレル以外の商品も販売する。店内には古いファッション誌も並べ、書籍も販売する。4月にオープンしたユニクロパーク横浜ベイサイド店と同様、花屋も設置した。

好きな柄をプリントできる「UTme」では原宿の飲食店との協業柄も
花は1束390円で多肉植物の鉢植えもある

 ユニクロは98年、原宿の明治通りと表参道の交差点近くに都心1号店を出し、その後のフリースブームで一躍名を上げた。同店はその後12年に閉店したが、ユニクロにとって原宿は思い入れの深い場所だ。赤井田真希ユニクロCEO(最高経営責任者)は「(原宿店は)我々にとって非常にシンボリックな店。ユニクロがさらに進化し、新しい情報を生み出すための発信基地になれば」と話す。


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