理研、東レ、JST 超薄型で耐熱の太陽電池を開発

2018/04/17 04:28 更新


 理化学研究所、東レ、科学技術振興機構(JST)は、100度の耐熱性を備え、エネルギー変換効率の高い超薄型有機太陽電池を開発した。従来の工業生産方法であるホットメルトで様々な生地に直接貼り付けることができる。このため、〝ウェアラブル電源〟として、スマートフォンの補助バッテリー用途などで実用化を目指す。今後、実用化レベルに向けた技術開発を重ねて性能を高めるほか、需要を探りながら「市場ニーズに応じて」(東レ)、20年代初頭には実用化したい考えだ。

 超薄型有機太陽電池は、東レが開発した半導体ポリマーを中間層に、保護層と透明ポリイミドの基板層で挟み込んだ構造。厚さは3マイクロメートル、耐熱性は100度の加熱で性能劣化率は0.3%。従来の材料は100度だと11.8%劣化するという。エネルギー変換効率は電池の面積が2ミリ×2ミリで最大10%。伸縮性と大気安定性は課題だが、150%の伸縮を100回まで繰り返しても性能は劣化しないという。大気安定性は80日間の大気中保管で20%以下の性能劣化が見られるという。

 発電量は電池の面積に比例する。例えば、100平方センチの電池を衣服の肩に貼り付けた場合、屋外なら1ワットまで、屋内の照度なら1ミリワットまで。現状の性能では主電源としては不十分だが、持ち運びしやすい補助バッテリーを想定している。

超薄型有機太陽電池


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