「東北ニットプロジェクト」始動 世界から人が集う街へ

2019/03/07 10:58 更新


 「ニットを通じて人が集う街にしていきたい」。岩手県遠野市を拠点にする東北クロッシェ村が中心となって東北ニットプロジェクトを立ち上げた。20年6月から、「東北ニットプロジェクトvol.1遠野」を開催する。

 観光資源を生かしつつ、自治体、団体、企業と連携しながらたくさんの人に参加してもらい、編物を通じて時間を共有することで、東北エリアの新たな魅力を発信していく考えだ。

3部構成で理解深める

 今回のプロジェクトは3部で構成する。第1部は20年5~6月を予定し、牧羊の伝統など東北の羊文化を見学し、原毛を紡いだり、東北クロッシェ村のメンバーと一緒に編む体験講座を開講する。第2部は7~8月、アーティストや学生に2週間ほど遠野に滞在してもらい、自然や伝統に由来する作品を制作してもらう。

 メインイベントとなる第3部は10月9~12日に「ニッティング・リトリート」を開催。ノルウェーのニットデザインデュオ「アルネ&カルロス」がアートディレクターとなり、参加者が思い思いに編むワークショップで心身ともにリラックスした時間を過ごしてもらう。

地域の編み手50人近くが活動している東北クロッシェ村

企業などの賛同募る

 東北クロッシェ村は、東日本大震災からの自立を目的に14年1月に創業した。オリジナル商品の製作のほか、ニット製品のOEM(相手先ブランドによる生産)にも携わる。被災者に限らず、地域の有志が加わり、岩手県宮古市・大槌町・釜石市・大船渡市・陸前高田市・宮城県気仙沼市などから50人の編み手が所属している。

 今回のプロジェクトの構想は、アルネ&カルロスが14年に遠野を訪ねてメンバーに会ったことからスタートした。「より多くの方に遠野に来て頂き、SNSのライブストリームなどで活動を見てもらい、世界から注目される機会を作っていきたい」とアルネさんとカルロスさんは話す。

 実行委員会は、東北クロッシェ村、福市(大阪市)、遠野里・山・暮しネットワークなどが共同運営しており、様々な人材、企業や小売店の賛同を募りながら、具体的な計画に入る。



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