人間国宝サンタクロース(松井孝予)

2013/11/14 11:40 更新


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企画から実現まで丸1年。パリの百貨店の年間最大イベントと言えば、「ノエル/クリスマス」。そして花形は何と言っても、あの動くショーウィンドー! マリオネットがウィンドー狭しと、ノエル劇を演じる。子供から大人まで満員御礼!のイベントだ。

さて、この万人に愛されるウィンドー、いったい誰が創っているの? プランタン、ギャラリーファライエット、BHVとそれぞれ自慢のノエル劇で勝負にでるが、その黒子は意外にも同一人物。その名は、ジャン=クロード・デイクス。


 
インのウィンドーで。クマを調教をするジャン=クロード(右上)


デイクス家は世界のミュージックホールのマリオネット師だったが、ジャン=クロードが機械仕掛けのマリオネットを開発。40年ほど前から、パリの百貨店のノエルのウィンドーを仕掛けるようになり、今では世界中を飛び回っている。

そのジャン=クロードに会おうと、早朝プランタンへ行った。彼はここでの除幕式を2日後に控えた4つのウィンドーの組み立てに追われながらも、今年のキャラクター「プラダ」(同店はこの伊メゾンと協業)のクマさんたちと素晴らしい笑顔で迎えてくれた。4年振りの再会だが、彼のオーラのある笑顔は変わっていない。何てステキなの。



 クマがジャン=クロードを見つめている


「一番難しかった」ウィンドーで。クマのスキーのお供をするジャン=クロード。まるで保護者。幸せそうな子供


「プラダからこのクマたちを直接受け取り、クマひとつひとつの性格を理解しながら(例え、ぬいぐるみでもね)、動きをつけていく。そうすると今度はクマが自分の言う事を聞いてくれなくなるから、「躾」が必要なんだよ」とジャン=クロードは話す。

 


”親”が居なくなったウィンドー


「パリ郊外のアトリエでみっちり3か月制作、ウィンドーの現場では早朝から遅くまで2日間で組み立ててしまう。毎年新しい事にチャレンジするけど、今回はこのロープウェイ。上り下りの動きに苦労したけど成功させた。2か月間で1200kmも動くんだよ」。ジャン=クロードのそんな苦労も知らず、プラダクマは楽しそうにロープウィエに乗っていた。

兎に角、このジャン=クロードがいなければパリのノエルは始まらない。みんなにとっては正に人間国宝級のサンタクロース! 40年間でジャン=クロードが制作したノエルのウィンドーは800を数え、彼の技は娘と息子に引き継がれている。


 
毎年セレブによる華やかなウィンドーの除幕式。今年はプラダを着たグウィネス・パルトローがパオロ・デ・セザレ同社会長兼CEOと一緒にジャン=クロードが制作したウィンドーを披露




松井孝予

(今はなき)リクルート・フロムエー、雑誌Switchを経て渡仏。パリで学業に専念、2004年から繊研新聞社パリ通信員。ソムリエになった気分でフレンチ小料理に合うワインを選ぶのが日課。ジャックラッセルテリア(もちろん犬)の家族ライカ家と同居。

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