パリ、ゆく年くる年ベスト1!(松井孝予)

2018/12/30 15:00 更新


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ノエル/クリスマスを象徴するサパン(モミの木)が黄色に見えてしまうほど、カオスになってしまったフランスの年末。2018年、サッカーW杯2度目のヴィクトリーでフランスが一体となったあの絶叫のよろこびも、「黄色いベスト」の暴動で遠い昔のことのようだ_


と、経験したことのない何とも言えない分からない年になってしまった2018年、(勝手に選んだ)ゆく年くる年ベスト1!


MODE モード

HEDI SELIMANE エディ・スリマン

早く見たい!と待ち遠しくてしかたないプレスとバイヤー。

この先は?と恐怖心を抱く東西ラグジュアリーメゾンの経営陣。

2018年9月28日20時、パリ・ヴォーバン広場。

見たいと怖いの心理が交差したエディー・スリマンによる初の「セリーヌ」のショー。

クリエイションだけでなく、彼はひとつのブランドのアーティスティックディレクターとして、どこまで権力を広げるのか。

彼のやることが、今後のビジネスモデルになるのだろうか。

スリマンがセリーヌのADに任命されたとき、モード誌よりもビジネス系媒体の表紙を飾ったことを思い出す。

ラグジュアリーメゾンの戦略を左右するエディー。

そして毎年年末恒例の仏版『ヴァニティ・フェア』の「最も影響力のある仏人50人2018年」では、スリマンが、W杯立役者キリアン・エムバペやエマニュエル・マクロン大統領を抑えトップに輝く。

『ヴァニティ・フェア』のカバーを飾ったスリマン


CULTURE カルチャー

ジャポニスム2018

日仏友好160周年を記念し、パリの文化施設で7月からオフィシャル開幕した過去最大のカルチャーマニフェスタション「ジャポニスム2018」。プレオープニングではチームラボのよる楽しすぎる多次元アート展、あっという間にブームを巻き起こしてしまった若冲展(日曜画家たちはジャクチュウタッチを猛練習)、その文明のスゴさにパリジャンに「ロスコーの洞窟なんてこれに比べたら」と言わせてしまった美しき縄文展、建築家田根剛さんの素晴らしいディレクションで日本のライフスタイルをアートで表現した風呂敷パリ、歌舞伎に能、エトセトラetc.   日本より日本になってしまった巴里。2019年2月まで続くよ続く。藤田嗣治展ももうすぐはじまります。

マレ、あのロジエ通り(またの名をファラフェル通り)のアトリエで。「あれ若冲ジャン!」


来る年2019年注目のイベント

VIVA LEONARDO DA VINCI !

1519-2019

レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年祭

ローマでパトロンのジュリアーノ・デ・メディチを失い、フランソワ1世の招き『モナリザ』持参でフランスにやってきたダ・ヴィンチ。フランソワ1世は自身が幼年期過ごしたロワール地方のクロ・リュセ城/CHATEAU DU CLOS LUCEに、このイタリアルネサンスの巨匠を住まわせる。

2019年は、クロ・リュセ城で67歳で息を引きとったダ・ヴィンチの没後500年を祝い、ロワール地方のシャトーを中心に、アート、カルチャー、サイエンス、ガストロノミー(美食)などなど様々なテーマで数えきれないほどのイベントが目白押し。ご出張の際に、パリからラクラク日帰り旅行可能なロワール地方(そんな時間あるわけないだろ!、と怒られそうですが)。こちらのサイトをチェック!

https://www.vivadavinci2019.fr/en/ (英語版)

ダ・ヴィンチが亡くなったお城の庭で

ENTREPRISE 企業

KERING ケリング

初めて企業におけるサステイナビリティー(持続可能性)の取材をしたのはケリング、2012年2月のこと。当時ケリンググループはまだPPRという旧社名でその前年、すでにCSR/企業の社会的責任のプロジェクトとしてPPRホームを立ち上げていました。初の取材にあたり、REDD(二酸化炭素の排出削減)、EP&L(環境損益計算書)などの用語の予習、そして取材後にはインタヴューに出てきたまだ日本語らしい日本語になってないの言葉の訳に苦労した。でもあの時の経験のおかげで、今、サステイナブルやESG(環境、社会、企業統括)を読むことができると感謝しています。

ケリング本社
ケリング本社の夜景、ステンドグラスがきれいです

2025年を目指したサステイナブル戦略第2ステージを進めているケリングですが、一方女性に対する暴力の撲滅を目指し創設したケリングファンデーションは18年に10周年を迎えました。それと重なるように11月下旬、Stoxx Europe 600上場企業200社の中から、女性役員比率平等に取り組む企業に与えられる The Most Feminine Board Of Directors Award を受賞。

そしてアートのメセナも活発です。同グループの創設者、フランソワ・ピノー氏は世界で5本の指に入る現代ーアートを中心としたコレクターとしても知られています。2018年の夏にはブルターニュの都市レンヌの2つの美術館でピノーコレクションを展示。パリ市主催現代アートイベント「ラ・ニュイ・ブランシュ」(白夜)では、屋外でピノーコレクションを披露。

そして毎年開催される「ヨーロッパ文化遺産の日」では、グループ本社でピノーコレクションと「バレンシア」のアーカイヴの展覧会が開かれます。「本社」と聞くと、いかにもビルディングを連想しがちですが、ケリング本社はホスピス、そして病院として使われていた17世紀の建物をグリーンビルディングHQEに基づき改装。そのチャペルは歴史的建造物にも指定されています。庭には当時を再現する植物が香り、菜園、蜜蜂の巣箱も置かれていて、とてもパリ左岸(ボン・マルシェ隣)にいるとは思えない、素晴らしい環境。

2018年の文化遺産の日には、ケリングが仏国立パリ美術学校(ボザール)へ寄贈するために購入した「エロイーズとアベラール」(説明すると長くなるこの二人の驚異の禁じられた関係。元祖ロメオとジュリエットとしておきます)の「聖遺物箱」を、本社のチャペルで一般公開。聖遺物箱に合わせたテーマで6人の現代アーティストの作品も合わせて展示。バレンシアガは、初のビデオのアーカイヴを公開。60年秋冬から68年春夏のコレクションをモノクロとカラーの14のスクリーンで多くの人たちを魅了しました。

エロイーズとアベラールの聖遺物箱
チャペルでの展覧会
バレンシアガのアーカイヴ展

来る年2019年、安藤忠雄が改装を手がけたピノーコレクションの美術館( 旧La Bourse de Commerce )がパリ・レアールにいよいよ開館。ルーヴル美術館とポンピドゥセンターの中間に位置するこの美術館。パリのアートシーンに乞うご期待!

ピノーコレクションの美術館/© Artefactory Lab ; Tadao Ando Architect & Associates ; NeM / Niney & Marca Architectes ; Agence Pierre-Antoine Gatier. Courtesy Collection Pinault - Paris.



松井孝予

(今はなき)リクルート・フロムエー、雑誌Switchを経て渡仏。パリで学業に専念、2004年から繊研新聞社パリ通信員。ソムリエになった気分でフレンチ小料理に合うワインを選ぶのが日課。ジャックラッセルテリア(もちろん犬)の家族ライカ家と同居。

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