ボン・マルシェの「マンマミ~ア!」
パリ左岸の百貨店ル・ボン・マルシェで全館挙げて大々的なイタリア展が開催されている。
国や都市をフォーカスした年間最大(クリスマスを除く)のイベントで、ロングバケーション明けのラ・ラントレ(新学期)をスタートさせるボン・マルシェ。今年はイタリアがゲスト国なのだが、実際開けてみるとこれがすっごく「意外」だ。
パリの百貨店の「何とかフェア」とか「何とか展」のイベントでは、ラグジュアリーメゾンやそれなりのブランドとの「高額」コラボファッショングッズがウリなのだが、高級百貨店の王道をいくボン・マルシェなのに、過去のブラジル、日本、ブルックリンフェアには、やっぱりボン・マルシェと思わせる「エッ!」と声を発してしまうらしきモノがあったが、今年のイタフェアには「それ」がナイ!
本館もパスタ味
イベントのタイトルは「ラ・ファミーリャ」。イタリアと言えば、家族。家族がテーマなら、やっぱり「ご飯」。食卓だ。
ということで、ボン・マルシェ本館の正面入り口から始まるイタリア展のフロアは、「食卓」で始まる。
パスタパスタパスタのパッケージ。
トマトソーストマトソーストマトソースの缶詰に瓶詰め。
既製品で物足りないなら、「自分で作って~」とばかりに手打ちパスタ用器具が食卓がセッティングされている。
あの誰もが釘付けになる同店食品売場「ラ・グランド・エピスリー・ド・パリ」に来ちゃったのかしら、と自問するパリ市民も少なくないはず。
本館のこの場所に「食」なんて前代未聞! 売り場に併設されたバールでは、「チャオ」とリストレットをひっかけたり、Buono!な軽食で、束の間のイタリア気分!
これがラ・グランド・エピスリー・ド・パリに行けば、ジェラートのスタンド、ピザ屋、パスタやシチリア伝統料理のバーに、100種以上の独占商品なんか揃っていてもっと凄いんだから(食品売場なんだから当たり前なんだけど)。
ちなみにメンズ売場では1万~15万ユーロの競技用自転車Pinarelloが揃っているので、パスタ太り解消肝入りダイエットと用品として投資できる。
イタリア版「人生はバラ色」
パスタ気分を消化して本館2階、3階に上昇すると、今度はイタリアのモードとライフスタイル。
2階には、パリでは一般的に知られていないミラノのセレクトショップ「ウェイト・アンド・シー」の世界。
洋服、ビジュー、食器、フォーチュンクッキーなんかいろいろあって、パリでは体験できないイタリア版「バラ色の人生」的な楽しいショッピング!
バラ色気分はそのまま3階に続く。ピノキオ人形やぬいぐるみ、キッチュな食器にアートなオブジェ。
イタリアのエッセンスが上手にブレンドされ、テーマそのまま家族みんなで楽しめる!
「このイタリアフェアのアイディアは?」と、ボン・マルシェに質問してみたところ、2015年に開催されたイタリア万博視察で、「次はコレしかない!」と決まったそうだ。
企画から1年がかりで実現した「ラ・ファミーリャ」は10月22日まで開催!
松井孝予
(今はなき)リクルート・フロムエー、雑誌Switchを経て渡仏。パリで学業に専念、2004年から繊研新聞社パリ通信員。ソムリエになった気分でフレンチ小料理に合うワインを選ぶのが日課。ジャックラッセルテリア(もちろん犬)の家族ライカ家と同居。