エスニックファッション専門店のチチカカは、店頭や野外イベントでの手作りワークショップに力を入れている。もともと、中南米やアジアで作る手仕事の入った商品が主体。楽しみながら世界の文化に触れ、生産者に関心をもってもらう狙いで、全国の店舗で5月からミサンガや風船人形の手作り体験イベントをほぼ毎週開催。実店舗への集客や再来店につながり、作業を通じて仲良くなれる点が販売員と客の双方に好評だ。
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「世界の文化を伝える」を企業理念に、世界の伝統的な技法を生かしつつ、日本の流行を加味した商品を17カ国の生産者と共同で開発している。ソーシャル活動は、〝幸せのかけ橋〟と名付けて11年から始めた。途上国の生産者に還元・支援する商品のほか、国際フェアトレード認証商品などを販売し、理念の普及に努めている。
手作り体験ワークショップは今年からで、初回は5月のインド伝統工芸の木版染め講習。国際フェアトレード認証を受けた有機栽培綿の無地のハンカチやコースターに、手彫りの木版で思い思いの柄を描き、母の日のプレゼントを作る子供など約50人が参加し、好評だった。
その後の3カ月は、毛糸やビーズで作る南米発のミサンガやタイ原産の風船人形を中心に、札幌や長崎など全国で手作り体験講習を週末に開いてきた。参加費は500円で、1日平均50組が参加する。
8月末には栃木・那須高原でアウトドア雑誌『ガルヴィ』主催のキャンプフェス(参加者は約200人の親子)に、絞り染めTシャツ作りの体験ブースを出展した。指定のハッシュタグを付けて体験中の写真をSNS(交流サイト)に投稿すれば無料とし、アウトドア派の客層への認知拡大と、店舗やECへの動員を試みた。
こうしたイベントによって、「客数が増え、参加後の来店・購買率も25~50%で、再来店も含めた集客効果は高い。作業しながら生産者や企業理念について伝えられる。応援に入った本社社員も客に接し、生の声を聞いて企画に還元できる貴重な場」としている。今後も積極的に開催を続ける方針だ。