コロナ禍を経て、再び多くの日本企業が出展した欧州生地見本市。ミラノウニカ(MU)には37社が、プルミエール・ヴィジョンパリには46社が出展した。
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日本ならではの高付加価値な生地やバリエーション豊富なストック生地を提案し、円安を背景に輸出の拡大を図る企業が多く見られた。一方で、より高まる認証の要求や欧州が求める納期への対応などに対する懸念の声も上がっている。
円安も楽観できず
コロナ禍で中小の機屋や染工場が廃業するなど、国内産地のサプライチェーンへの懸念は強まっている。欧州における地産地消ニーズの高まりで、同じ納期ならイタリアなど近隣国の生地を使う可能性があり、円安だからといって輸出に対して決して楽観視できる状況ではないとの声も聞かれた。
ただ、「イタリアと同じくらいの納期で、欧州にないオリジナリティーのある生地を出せればもちろん商機はある」(スタイレム瀧定大阪)のも事実。スタイレム瀧定大阪は、ナチュラルな風合いの近江晒(さらし)加工生地や、テンセル・シルク・カシミヤのジャージー、旧式編み機製のビンテージ調なしぼ感を持つラッセルといった生地が好評だった。
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