《どう作るどう売る》レディスウェア 田村駒企画開発室デザイナー、都築伊津子さん 低価格から価値重視へ

2023/01/19 11:00 更新


都築伊津子さん

 繊維専門商社の田村駒は、23~24年の秋冬向けレディス製品提案のテーマの一つに「マスターピーシーズ、究極のこだわり」を掲げる。その背景は。

 顧客の要望が安さ一辺倒ではなくなってきました。そのためデザインはシンプルながらも品質にこだわった商品を提案します。例えばカシミヤのコートやニット、アルパカのニットトップなどです。タートルネックセーターの袖を長くし、くしゃくしゃっとして着るなど、少しアクセントを利かせて遊び心ある着こなしができるようにしました。良いものを買ってリセールすることが普通になってきているので、購入価格が少し高くても長く着られたり、売るときに高く売れるようなデザイン、品質を意識しました。

 古着好きの人が増えているので、「継承」をテーマに70年代のレトロな雰囲気も取り入れます。古着のような雰囲気ながらも身頃の幅を大きくするなど現代のシルエットで着やすくしました。ほかに機能素材を使ったオーバーサイズのコートやジャケット、カラーではホワイトコーディネートが広がっているので、白を増やしています。

 自社の総合展では初めてゴルフとDIYのコーナーを作りました。ゴルフブランド向けが伸びており、レディスブランドからも「ゴルフウェアを始めたい」との要望があります。ゴルフだけだと着用シーンが限られるので、ファッション性を高くして普段着としても活用できるデザインで購入のハードルを下げます。

 DIY市場に向けたオリジナルブランド「ディヤップ」を総合展で打ち出すなど、提案するジャンルの幅を広げています。



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