伊勢丹新宿本店メンズ館は、性別や年齢を超えた夏の必需品となったコスメアイテムを強化する。長引く猛暑やライフスタイルの変化に着目し、「自分から発するにおいをコントロールしたい」というニーズが高まる香水とUV(紫外線)ケアが性別を問わず欠かせなくなったスキンケアの需要を掘り起こす。
(高塩夏彦)
3回目になる「香水夏市」の会期は7月9~29日。夏場に合わせた爽やかな香りを中心に揃える。「ディプティック」「ペンハリガン」などの定番ブランドも揃えるが「他の人と被らない香りが欲しいというニーズが、香水ビギナーにも広がっている」(同店)ため、新興ブランドの扱いを増やす。
トルコの「ニシャネ」の落ち着いた色気があるウーロン茶の香り(税込み3万3000円)がイチ押し。オーストラリア発「ゴールドフィールド・アンド・バンクス」の「パシフィック・ロック・フラワー」(2万8600円)は海辺の花々をイメージした香り。万人受けする爽やかさがある。ファッションとして香水を楽しむ層が多いため、瓶の見た目の美しさを重視した。
8月20日~9月2日にはスキンケア商品の催事「メンズグルーミングルーティーン」を開く。メンズ向けブランドだけでなく「スック」「コスメデコルテ」などの、本館コスメ売り場で人気がある商品も集める。ブランド横断型でコスメ初心者の男性でも、商品を比較して選びやすい売り場の設置も検討している。

同館の24年6~8月の売り上げは香水が前年同期比10%増、UVケアアイテムが20%増だった。香水は購買客層が20、30代が中心で売れ筋が1万8000~2万7000円、UVケアは年齢を問わず購入されており、3500~5000円の売れ行きが良い。今夏は、単に実用性やケアだけでなく、身だしなみの必需品として進化させる。