百貨店ミセスで伸ばすTフロンティア 他ブランド撤退の穴埋める

2020/08/11 06:30 更新


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 婦人服製造・小売、販売代行のTフロンティア(京都市)が百貨店への出店を増やしている。1店当たりの売り上げは小さいが、確実に収益を上げ、20年6月期末時点で35店を運営する。最近は、ミセス向けブランドの退店が相次ぐ地方や郊外の百貨店から出店要請が増え、出店ペースが早まり、今期もすでに5店以上の出店が決まった。当面は「60店程度までは広げたい」(井藤典男社長)考えだ。

コロナ禍でも黒字確保

 同社はミセス向けのオリジナル婦人服販売を中心に08年6月に創立。全国の百貨店、路面で「Tフロンティア」や、コムトの「コーザノストラ」、伊太利屋などの販売代行、アウトレット店などを運営している。売り上げより収益を最優先にした徹底的なローコストオペレーション経営で、設立以来12期連続で増収を達成。前期はコロナ禍の営業自粛で約2カ月休業したにもかかわらず、黒字を確保した。休業がなければ、過去最高の営業利益を見込んでいた。

 ローコストオペレーションの核は、高いオリジナル商品比率と1店あたりの販売員数を少なくすることだ。オリジナルは半期あたり約500SKU(在庫最小管理単位)を企画、基本パターンを少なくし、色・柄やサイズで型数を増やし、小ロットで生産する。各店への商品投入時期は井藤社長が全国各地の気温から判断して決める。

 冬物は北から南へ、夏物ならその逆と、商品の店舗間移動を増やして在庫は極力持たない。在庫10回転を基準に、動きの鈍いものはすぐに見切り、アウトレット店での販売に切り替える。アウトレット店は沖縄県の那覇市とうるま市、岩手県盛岡市と、同社が展開する地域の南北の両端にあり、シーズン物の割り振りがしやすい。

 販売員を少なくする効果は出店の際に表れる。新店は既存店と隣り合わせ、もしくは向かい合わせを条件とする。接する2店を1店とみなした販売員シフトを組むためだ。1人の販売員がブランドが異なる店の販売も可能にする体制で、従来の半数近くの人員で運営できるようになる。

出店ペースが加速する(近鉄百貨店和歌山店)

百貨店ミセスは強い

 同社では、ミセス人口が増加傾向にあり、シニアやミセス層の百貨店への信用が高いことから「百貨店ミセス売り場の実力はいまだ強い」(井藤社長)と見る。井藤社長は関西の婦人服専門店14社で構成する団体、LCC(ラ・クルーブ・クレアチュール)の会長も務め、特に地方・郊外の百貨店では今後も「ミセス専門店の導入も活性化になる」と見る。

 百貨店への出店は、退店したブランドの売り場を埋めることが目的でない。地域密着の視点から、専門店の接客や顧客との関係性が有効だと考えている。同時に、こうした方針を進めるうえでは「百貨店側の契約条件緩和、そして、専門店は仕入れだけでなく物作りができる体制が必要」と見ている。

井藤社長

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