麻糸の新加工、ソフト&ビンテージ感

2015/03/10 06:15 更新


 糸の染色加工場サンテクノ(愛知県一宮市、森竹典社長)は、麻で中白染色加工とソフト加工の二つを開発、受注を本格化する。

 中白染色加工は湿式で紡績されたリネン100%の糸に施す特殊な染色加工。染料が芯まで浸透せずに、染まった部分と染まりきれていない部分が撚糸の変化でランダムに表現される。洗い加工をしなくてもビンテージ感が出る。単糸で染色する。太番手から80番手糸まで可能で、細番手では上質なカジュアルさを、太番手では大胆さが表現される。布帛、丸編み、横編み用の糸に対応できる。

 ソフト加工は麻製品が素肌に触れたときに感じるざらつき感やチクチク感を解消し、ソフトな風合いが出る。通気性や吸湿性など麻の特性はそのまま持続する。糸の段階で、麻の組織内にタンパク質の一種を結合させる加工で、洗濯しても風合いは変わらず、半永久的に効果を発揮する。加工することで形態安定性が増し、しわも減らすことができる。単糸、双糸、染めた後の糸でも生地の段階でも加工は可能。リネン、ラミー、ヘンプに加え、麻複合の糸でも加工できる。番手も選ばない。布帛から丸編み、横編みまで対応でき、丸編みでは斜行が起こりにくいため、生産効率が向上する。

 中白染色とソフト加工を併用することも可能で、白生地にソフト加工し、後染めをすることもできる。横編み糸で中白、ソフト加工をする場合、単糸に中白染色をしてから双糸にし、ソフト加工を施す。

 同社はこれまでにも一部の高級市場で二つの加工を提案、受注してきた。二つの加工とも技術的に進化し、安定してきたことから受注を本格的に進める。生地段階での加工は協力工場を選定し、ノウハウを供給しながら、生産体制を構築する。



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