《学生のいま》早稲田大学「リシンク・ファッション・ワセダ」 ファッションと持続可能性を発信

2024/05/10 06:28 更新


国際教養学部に通う学生で立ち上げ、現在のメンバーの半数は他校の学生

 早稲田大学を拠点とする「リシンク・ファッション・ワセダ」(ReF、レフ)は、SNSや動画投稿サイトなどを通じてファッションとサステイナビリティーを情報発信するインカレサークルだ。企業との協業も多く、学生の声を社会に広める活動を進めている。

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親しみやすさを重視

 発足は20年。海外で盛んなファッションとサステイナビリティーにまつわるサークル活動を自分の学校でも広めたいという思いで、国際教養学部に通う6人の学生で立ち上げた。現在は約60人のメンバーのうち、約半分が他校の学生だ。

 主力の活動はファッションと環境問題についての情報発信。代表の北野美緒奈さんは「堅苦しくない、見た人にとって親しみやすい見せ方を大切にしている」と話す。主にインスタグラムとユーチューブ、ブログで発信している。

 インスタグラムではメンバーのバッグの中身を紹介する投稿が人気コンテンツだ。ファッション好きの大学生の等身大の持ち物を見せつつ、環境に優しいマイボトルや、エシカル(倫理的)なビーガンコスメなど、すぐにまねできるアイテムも紹介している。ユーチューブでは5カ国ほどに短期・中期留学しているメンバーが通信員のようになって、海外の日常を発信している。生活の中で見つけたサステイナブルな商品や取り組みなどもリポートする。

イベントにも注力

 発信以外の活動も盛んだ。定期的に書籍や映画を使った勉強会を開き、メンバーの知識や問題意識を高めている。ビーチの清掃などのボランティア活動も行う。

 文化祭ではメンバーの古着を販売するバザーを開く。このほか、企業と協業しアンケートに答えると、企業の在庫衣料がもらえるキャンペーンなども実施している。産学協同の取り組みにつながり、環境問題に関心がある学生目線の意見を企業の商品開発に求められることも増えている。

文化祭などでは企業と組みサステイナブルな商品の紹介もしている

 今後は参考文献だけに頼らず、独自取材による情報を使った発信を強化する。直接質問したり、工場見学の機会を提供してくれる企業を探している。

 北野さんは「全メンバーが楽しく本気で頑張れるサークルであり続けるために、活動を常に進化させたい」と意気込む。サステイナビリティーにまだ興味がない人、海外の人にもアプローチできる発信方法も模索する考えだ。

(高塩夏彦)

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