明治学院大学の学生が運営する「エムジークローゼット」は、ファッションを通して環境問題や社会課題の解決を目指している。団体が伝えたいのは「服を大切にしてほしい」ということ。流行や価格だけでない服の選び方・楽しみ方を、SNSやイベントを通して伝えている。
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コーディネートも
設立は19年。きっかけはメンバーがアパレル産業の環境・人権問題を扱ったドキュメンタリー映画を見たことだった。ファストファッションの生産過程で地球環境に与える影響や、劣悪な労働環境で働く様子を見て衝撃を受けたという。
より多くの人に知ってもらい、社会課題に向き合うきっかけにしたいと考えエムジークローゼットを立ち上げた。現在は2、3年生が中心に所属し、SNSで古着を取り入れたコーディネートや、サステイナブルなアパレルブランドの紹介でエシカル(倫理的な)ファッションの楽しみ方を発信する。
昨年は100着ほど回収した古着でフリーマーケットを行い、経費を除いた売り上げを病児保育室の運営や待機児童問題に取り組む認定NPO法人(特定非営利活動法人)に寄付するイベントを行った。
タキヒヨーと産学連携でエシカルファッションに関する座談会やイベントを行ったこともある。イベントでは不用になった衣服をトートバッグにアップサイクルするワークショップを行った。
今年度は企業と協業で古着をリメイクして販売する企画が進行中だ。代表の白井俊乃介さんは秋の学園祭でリメイクした服を使ったファッションショーも構想している。
「楽しい」を伝えたい
白井さんはファッション系のサークルを探す中でエムジークローゼットを知り、サステイナブルやエシカルな活動に関心を持った。もともと服が好きで「ファッションは個性を表す一つの手段」と考える。個性を大切にしなさいと言われてきた中で、見つけたのがファッションだった。白井さんが強調するのは「アパレル産業の悪いイメージではなく、ファッションの楽しい部分を伝えたい」点だ。
アパレル関連企業に就職し、ゆくゆくはブランドを運営したいという夢がある。活動をより多くの人に知ってもらうために団体をまとめると共に、経済を学びながらアパレルショップのアルバイトで経験を積んでいる最中だ。
(小坂麻里子)