サステイナビリティー国際シンポ講演で

2016/10/21 02:46 更新


 伊人工皮革メーカーのアルカンターラ、ベネチア国際大学、早稲田大学、日本経済新聞社は17日、都内で「サステイナビリティー(持続可能性)と企業価値」をテーマに国際シンポジウムを開いた。企業経営にとって「避けて通れない課題」に取り組む欧米、日本の企業経営者や識者が世界の潮流や自社の事例などを発表した。

 同シンポジウムはベネチア国際大学で過去2回開かれ、日本では初開催。基調講演では先駆的な取り組みを進めている伊藤園や、アウディジャパン、パナソニックが自社の事例を紹介した。

 ファッション業界からはストライプインターナショナルの石川康晴社長兼CEO(最高経営責任者)が登壇し、昨年9月に立ち上げたファッションレンタルアプリ「メチャカリ」について説明した。「服は所有する時代から、共有する時代になると思っている」と話し、「路線転換を進めていくことが我々のサステイナブル。路線転換こそが企業の継続につながるのではないか」と語った。

  また、地元の岡山市で11月末まで開催している「岡山芸術交流」という現代アートのイベントや、母校の岡山大学と組み教育面でのサポートなどを通じた「地域貢献は企業の価値向上につながるのではないか」と話した。

 伊藤忠商事前会長でグローバルビジネス学会の丹羽宇一郎会長が特別講演した。企業のサステイナビリティーへの取り組みは「ゴールなき駅伝」とたとえ、「タスキをどれだけつないでいくことができるか。ある区間では順位を落とすこともあるが、決してタスキを落としてはいけない。落とすということは会社がつぶれるということ」と語った。「資本主義には倫理観が非常に大事。世界のいろいろな会社が起こす不祥事はすべて倫理を欠いた結果だ。倫理を欠くとタスキは渡せない」と指摘した。



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