ストライプインター「値引きよりコスパ」

2016/12/15 06:36 更新


プロパー型に転換

「安かろう良かろう」


 「値引き販売からプロパー型へ大きくかじを切る」――。ストライプインターナショナルは17年春から全社的に、従来よりも上質な生地で原価率を上げた商品を販売する。これまで、販促策として戦略的に値引き販売を取り入れてきたが、消費者のコスパ(コストパフォーマンス)意識が高まっていることから、方針を大きく転換する。

 今の市場環境について、「デフレというよりもコスパ。お金のあるなしにかかわらず、コスパを意識する人が増えている」と石川康晴社長。一方で、値引きで客を引き付ける販売手法は、「ブランド価値が傷んだり、顧客が離反する」リスクがあるため、原価が高くてもプロパーで売り切る戦略に変える。

 これまでも、価格に対して付加価値が高い商品を一部投入してきた。テレビCMでの打ち出し商品もその一つで、実際に消化率も良かったという。

 そこで、こうした商品を社内でプラチナ商品と位置づけ、来春物から本格化する。生地のグレードを上げつつ、セール期以外の値引きは原則行わないことで、利益を確保する。「万単位のロットを生かし、大手セレクトショップの品質を、当社の価格帯で提供したい。これが当社のコスパだ」と強調する。

 具体的には、主力ブランド「アースミュージック&エコロジー」をはじめ全社的に、総品番の一定割合をプラチナ商品にする。

 アースの来春物では、デニムウェアやMA‐1タイプのブルゾン、ボーダーカットソーを企画。Gジャンやジーンズは、「コットンUSA」素材を使ったソフトな着心地で、2990円。インドネシア製。今年は違う素材で3990円だったが、品質を上げて価格は下げる。

 ブルゾンは縫製や細部の仕様の完成度にこだわった。3990円でミャンマー製。ボーダーカットソーはオーガニックコットンを使用する。

 アース以外のブランドでも、シルク混の洗えるニットなど付加価値のある商品を販売する。東南アジアと中国の生産地をうまく使い分けながら、トレンド品と定番品の両面で質の向上を図る。

 将来的には、「コスパの高いファストファッション・イコール、アースと言われるようにしたい」。日本の企業だからこそ実現できる「安かろう良かろう」の商品を、グローバル市場で海外SPA(製造小売業)と戦う上での武器にしていく考えだ。

 

「アースミュージック&エコロジー」では、「コットンUSA」素材を使ったデニム商品などを17年春に出す



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