東急東横線日吉駅。駅の東側に慶應義塾大学のキャンパスがある一方で、西側には住宅地が広がっている。学生と地元民の活気にあふれたこの街で、「育児や介護、年齢などを理由に社会から離脱した女性や高齢者が社会参加し、生きがいを感じる社会を作りたい」と立ち上がったブランドがある。女性や高齢者が作るハンドメイドバッグの「ビヨンドザリーフ」だ。18年7月には駅から徒歩3分の立地にアトリエ兼ショップを開いた。
このアトリエ兼ショップでは、キャッシュレス決済に簡単に対応できるクレジットカードリーダー「Square Reader」、設定も操作も簡単なシンプルなPOSレジ「Square POSレジ」、請求書の発行が数秒で完了してリアルタイムで支払状況を把握できる「Square 請求書」を導入している。「ショップ運営に大きく役立っている」と話すビヨンドザリーフの楠佳英さんに、Squareのサービスの魅力を聞いた。
■導入のねらいは顧客とのコミュニケーション活発化
ブランドの立ち上げは14年。手編みが得意な楠さんの義母など4人で、社会をより良くしたいというビジョンを共有できる高齢者や女性を募り、手編みのバッグの生産・販売を開始した。当初はオンラインストアのみで販売していたが、「商品を手に取って見たい」「作り手と触れ合いたい」という顧客の声に応え、「人を幸せにするのは人。人と人がつながる場所を作りたい」と、アトリエ兼ショップを開いた。
その思いを具現化するため、ショップでは週5回、顧客や近所の主婦を対象にしたワークショップを開いている。編物や縫い物だけでなく、作り手の特技を生かしたものなど、顧客との距離を縮めることを意識している。
現在の作り手は約60人にまで増えている。近所の主婦層が中心だが、40~80代と幅広い。それぞれのワークショップでレクチャーしたり顧客と交流する作り手が、ショップで参加者と資材の追加料金などの決済のやり取りをすることになるため、ショップをオープンする前から、「決済にかかる時間やストレスをなくし、顧客とのコミュニケーションに集中できる環境にしたい」と“完全キャッシュレス化”を目指した。それがSquareの各種サービスを導入することになったきっかけだ。60人の作り手それぞれに煩雑なPOSレジの使い方や決済やレジ締めなどのフローを研修するといった時間やコストをなくしたいという思いもあった。Squareを導入したのは、POSレジは初めて使う人にもやさしいPOSレジで、キャッシュレスを気軽に始められるから。楠さんが好きで通っているフリーマーケットで、「出店しているママさんたちがこぞってSquareを使っていたのも決め手になりました」という。
■業務負担を軽減し、顧客との交流に注力
SquareのPOSレジやクレジットカードリーダーを導入したことで、デジタル機器に慣れていない高齢者の作り手であっても、簡単に操作ができている。「ワークショップでは99%がキャッシュレス決済となり、スムーズでストレスのない決済で顧客の満足度も高いと感じています」。
ショップで発生する料金はワークショップでの資材の追加などで、基本料金など事前にわかっている費用についてはオンラインで事前決済してもらう仕組みだ。ただ、ウェブだけでなく電話でも申し込みを受け付け、幅広い人にワークショップに参加してもらえるようにしている。
そこで役立っているのが「Square 請求書」。請求書の作成・送付がどこからでも可能で、メール1本で請求書をお客に送り、カード決済してもらえるサービスだ。「このサービスが意外と便利で、リアルタイムで支払い状況を確認したり、リマインドメールまでを一元管理できるのが嬉しいです」という。
ほぼ完全にキャッシュレス化を実現したビヨンドザリーフ。銀行への入金など楠さんやスタッフの業務負担も軽減できている。そうした生まれた時間を生かし、インスタグラムでライブを積極的に配信したり、顧客との交流に注力できている。「顧客が求めているのは“体験”で、そこからブランドのファンになってもらい、商品を購入してもらいたい。これからもエモーショナルとストーリーを大切に、好きなものでつながるコミュニティを作っていきたい」と楠さんは語る。
【Squareお問い合わせ先】
ホームページ:https://squareup.com/jp/ja
アカウント作成フォーム:http://squ.re/JPRO
【ビヨンドザリーフお問い合わせ先】
ホームページ:https://beyondthereef.jp/
住所:横浜市港北区日吉本町1-24-8-A
電話番号:045-620-6910
(企画・制作=繊研新聞社業務局)