シタテルが生産現場の実態調査 国内回帰の動き強まる 工賃上昇と7割以上が回答

2023/09/14 06:26 更新


 衣服・ライフスタイル製品のデジタル生産プラットフォームを提供するシタテルは、縫製工場を中心に全国のサプライパートナーを対象に、コロナ禍の時期と比較した生産現場に関する実態調査を実施した。

 コロナ下の世界的な衣服への需要の低下や生産の停滞によって、大きな打撃を受けたファッション業界。しかしコロナ禍による混乱が落ち着いた現在、衣服・ライフスタイル製品に対する需要はコロナ前の水準まで回復し、ブランドの生産体制の見直しや、急激な円安などによる国内回帰の動きが顕著になっている。そうした状況を踏まえて今回、シタテルのサプライパートナー約2600社のうち約40社にアンケートを実施し、国内回帰の動きや工賃、ブランドとの関係性がどう変化しているのかを調査した。

 調査結果では、コロナ下と比べて、稼働が増加していると感じているのは72.2%だった。そのため、新規の量産受注をすぐに受けることができるのはわずか13.5%に限られた。約半数以上が、生産における国内回帰の動きが強まっていると感じている。国内回帰が強まっている原因として考えられるのは1番が「円安」、続いて「コロナ禍」だった。

 工賃は以前と比べて上昇していると7割以上の企業が回答。そのうち約4割の企業は工賃が10%以上上昇していると答えた。

 「コロナ禍を経て、ブランドとの関わり方に変化はありましたか」という質問には、①オンラインでのやり取りが増えた②工場としての意見を伝えやすい環境になってきたと感じる③コスト高や人員不足などが工場側の問題ではなく、業界全体の課題として捉えられるようになったと思う④納期に関して融通がきくようになった⑤無理に短い納期を要求されることがなくなり、長くみてもらえるようになった⑥納期やコストに対する考え方が良い方向に変わった――などの声があった。



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