「シブヤ109ラボ所長の#これ知ってないとやばみ」

2019/12/07 06:30 更新


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 「#これ知ってないとやばみ」も、おかげさまで1年ほど連載させていただいております。私自身、毎月200人のアラウンド20(15~24歳の男女)と向き合う活動も、3年目に突入しました。

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ファッションよりコスメ

 シブヤ109ラボの活動では、若者と接するだけでなく、業界業種問わず多くの企業の担当者と、若者に関する情報交換やマーケティングサポートをさせていただく機会をいただいています。「若者をターゲットとしたいけれどアプローチ方法が分からない」「顧客と一緒にブランドが年をとってしまい、若者との距離ができてしまった」など課題は様々ですが、若者との接点について悩んでいる企業は、意外にも多いことを日々実感しています。

 今は若者がターゲットではなくても、5年後、10年後には必ずターゲットの年齢となる「今」の若者たちの価値観や実態を捉え、理解しておくことは非常に重要です。

 価格や品質において差別化が難しくなっている中で、「この商品を絶対に買いたい!」と思ってもらうことは、これまでのプロダクトアウトでは、今も今後も難しい状況となっています。

 ファッションを例にしても、今の若者たちは好きなブランドを聞いても思い浮かばないなど、「ファッションブランドへのこだわり」が薄くなっています。これは、若者を取り巻くファッションの需要と供給のバランスや、若者にとってのファッションの位置づけが「自己表現」から「コミュニケーションツール」へ変化したことが関係していますが、その他にも理由があることが考えられます。

 若者の一番の情報収集源であるSNSを見ると、一番分かりやすいかもしれません。たとえば、コスメはブランドや商品の良さ・特徴を伝える第三者の「語り手」が自然発生的に生まれています。ファッションブランドを聞いても答えられない若者たちが、コスメブランドに関しては、ブランド名から商品名・商品の品番まで間違えることなく答えることができます。

 一方、ファッションについて公式の情報以外に第三者の「語り手」が生まれているのは、本当にほんの一握りのブランドだけ。ファッションとコスメという見た目に関わる同じカテゴリーであるにもかかわらず、若者の熱量の違いがはっきりと現れているのです。

生活者がブランド作る

 SNSで誰でも発信者となれる今、ブランドを作るのは企業だけでなく生活者も大きく関わっています。特に口コミを重視する今の若者たちは、口コミがフィルターとなってブランドへの信頼を築いています。先述したように、ファッションが若者のコミュニケーションツールとなっているため、商品やブランドに対する口コミが生まれにくい状況となっていますが、この「語り手」を作っていくことは、長期的な目線でも非常に重要なことであると私は思います。

 これは、単にSNSでのコミュニケーションを強化しようという話ではありません。様々な戦略を立てる前に、商品やブランドについて「語り手」を増やすには? トレンドや価格・品質だけではなく、若者の琴線に触れ、語りたいと思われる要素は何なのか? その感覚を地道に集めて理解していくことが、はじめの一歩であると思います。

 そのためにも、まずは積極的にターゲットと会ってください。ターゲットとの違いや共通点を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。シブヤ109ラボでは、今後も皆様が若者を理解し、施策に生かせるヒントを作れるようなお手伝いをしていきたいと考えています。

●長田麻衣(おさだ・まい)
 シブヤ109ラボ所長。総合マーケティング会社で、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て現職。毎月200人の若者と接する毎日を過ごしている。好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。今年の目標は、若者に関する講演に講師として登壇すること。そして大人っぽさと透明感を兼ね備えた女性になること。

(繊研新聞本紙19年11月8日付)


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