「シブヤ109ラボ所長の#若者の家族との関係性」

2021/06/14 06:27 更新


Medium shibuya109
「友達親子」がアラウンド20の間で主流に

 「友達親子」という言葉をご存じでしょうか?この言葉は親子の関係性を表現する言葉で、文字通り〝友達のような親子関係〟を指します。ミレニアル世代の頃から使われている表現であるため、決して目新しい関係性ではありませんが、今のアラウンド20(15~24歳の男女)の間でも主流になっています。

 アラウンド20の若者に家族との関係について聞くと、親・子供の上下関係があり、親が権威を持ち子供が従っているというよりも、フラットな関係性を築いており、家族間で互いに尊重し合いながら過ごしている実態があります。

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SNSでつながる

 シブヤ109ラボで高校生男女400人を対象に実施した調査で、親から受けている制限について聞いてみると、「制限されていることはない」という回答が約4割と最も多い結果となりました。しかし、親からの制限がないからといって、子供が無制限で自由にしているわけではありません。

 たとえば、普段の自宅に帰る際の門限について、「門限はないが、節度を持って日をまたがないようにしているし、帰るときはLINEで連絡する」という声が多くなっています。厳正なルールがなくても、彼ら自身で節度ある行動を考えつつ、家族と相談し約束を取り決めている傾向がみられています。

 このような関係性が成り立っている要因として、「家族間の報連相」の体制が気軽かつしっかり構築されていることが考えられます。たとえば先述したように、メインの連絡手段となっているLINEで逐一連絡を取るだけでなく、彼らはインスタグラムやツイッターの本アカ(メインで使用しているアカウント)などのSNSでも家族とつながっています。

 インタビューでも「母からインスタグラムでフォローされている。ストーリー投稿は友達とのやり取りがリアルに見えてしまうので非表示にしているが、フィード投稿を見た母が投稿にいいね!してくれて、その投稿に対して話したりもする」「妹とインスタグラムでつながっている。自分の友達とも仲良くなりたい妹が、自分の友達にフォローリクエストをしてつながっている」という声もあり、家族に見られても問題ない範囲にコントロールはしつつも、日々の出来事について、SNSを介して共有している実態も見られています。家族間でSNSやアプリを通じたオンラインコミュニケーションがあることが、家族ルールの在り方に影響していることも考えられます。

恋愛事情も共有

 普段から自宅ではリビングで家族と過ごす時間を多くとっているアラウンド20が多く、共有する話題のジャンルも幅広いようです。ウェブ調査で普段家族と共有・相談している話題を聞いてみると、進路や勉強に関することだけでなく、男女ともに約半数が自身の恋愛に関する話題も親に共有し、うち約3割が「自分から話す」と回答する結果となりました。

 私自身は高校生時代、親に恋愛の話をするのは恥ずかしいしむやみな詮索(せんさく)をされたくないという気持ちがあったので、この結果には驚きました。それだけ、今のアラウンド20の親に対する信頼が厚く、気軽に相談できる関係性であることが分かります。

 オンライン・オフラインを駆使した密な報連相で信頼関係を構築し、無駄な制限や規則を作らない。上下関係で縛らずフラットな関係性で風通しの良いチームにすることでチーム力を上げていく…アラウンド20の家族との関係構築の実態には、ビジネスパーソンとしても念頭に置いておきたいポイントが詰まっています。

●長田麻衣(おさだ・まい)
シブヤ109ラボ所長。総合マーケティング会社で、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て現職。毎月200人の若者と接する毎日を過ごしている。好きなものはうどん、カラオケ、ドライブ。今年の目標はシブヤ109ラボを日本一の若者マーケティング機関として認知してもらうこと!

(繊研新聞本紙21年5月12日付)


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