「言葉」で振り返るファッション業界~22年6月編~

2022/07/27 10:58 更新


 繊研新聞が日々発信するニュースには、経営者やデザイナー、職人、販売スタッフなど、様々な人々の「言葉」が満ちています。

 【「言葉」で振り返るファッション業界】では、熱のこもった言葉たちをひと月ごとに振り返り、ご紹介します。

「単に商品を販売する時代ではない」

サロンモード専務の山口賢人さん


 佐賀県内でレディスセレクトショップ20店を運営し、地元の魅力を高める店作りで顧客をつかむ。佐賀の魅力を発信するウェブサイトを配信、SC内で消費者参加型やファッションとアートを融合したイベントも開く。単に売り上げの拡大を狙うイベントではなく、生活を豊かにする提案と地域を盛り上げることが大事だとして社内の意識改革も進めた。「最終的には人が大事になる」と、さらなるモチベーションアップにも挑む。

(繊研新聞本紙22年6月2日付6面)

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「日本一SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みが進んだ地域に」

河田フェザー社長の河田敏勝さん


 国内羽毛加工業として、いち早くSDGsや社会貢献の活動をしてきた。「羽毛は天然の産品で、品質も気候変動に敏感。SDGsに積極的に参画することが羽毛事業を安定化させる」とSDGsとの親和性を認識する。83年に始めた羽毛のリサイクル事業は現在、年間で100トンの回収、180トンの二酸化炭素削減の実績に。本社のある三重県と隣接する愛知県も合わせ、この地域を日本一SDGsの取り組みが進んだ地域にしたいと考える。

(繊研新聞本紙22年6月3日付8面)

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「重要なのは選択肢が広がること」

TIEWA代表の合田文さん


 運営する「パレットーク」はフェミニズムやLGBTQ+(性的少数者)をテーマに、実話に基づいたマンガをメディアとして発信する。ジェンダーフリーブランドが社会的な〝らしさ〟から開放されたものだとするなら「自分の表現したい性」がある人には、選択しやすいものとなる。しかし、ファッションを選択する指標は多様で、表現したい性が合っているからといってそれを選ぶとは限らない。だからこそ多い選択肢の重要性を訴える。 

(繊研新聞本紙22年6月16日付15面)

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「生産者に適正に還元したい」

ケルナ代表の前川裕奈さん


 政治、経済、社会的に混乱が続くスリランカでフィットネス・ヨガウェアを作る。イベント販売の毎月開催を目標としつつ、ウェルネスライフやブランドコンセプトの「セルフラブ」(自分を愛する)を伝える。停電やOEM(相手先ブランドによる生産)受注減などで稼働時間が短い中、働く人の頑張りに応えたいと給与を1.8倍に。商品価格を改定したが「元々、価格が安いから購入してくれているわけではないし、生産者に適正に還元したい」という思いを形にした。

(繊研新聞本紙22年6月20日付6面)

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「テキスタイルとデザイナーの橋渡しに」

東播染工テキスタイルラボプランナーの足立直人さん


 営業や生地・製品の企画に携わり、産地の生地の魅力をデザイナーや消費者に発信する。生活に新たな彩りを加える生地や製品開発に取り組む。「テキスタイルを作ることがゴールではなく、自分たちが作った生地が服になることがゴール」とパタンナー経験の強みを生かしつつ日々奮闘する。「小さいことだけれど、自分たちが社会に良い影響を与えられるような提案をしていきたい」とも。

(繊研新聞本紙22年6月29日付11面)

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