SCディベロッパーが事業拡大策を積極化している。コロナ禍を契機に、リアルな場を求める消費者ニーズがさらに高まる中、様々な体験ができたり、音楽やスポーツなどを楽しめるイベントの強化や、遊びや交流ができるスペースの拡大などで「来館価値」を高め、集客と売り上げを伸ばす施設が増えている。テナント構成で「ここにしかない」独自性を出し、来館価値を高めた施設も多い。SNSや自社アプリなどを活用した情報発信やサービス、CRM(顧客情報管理)も強化し、CS(顧客満足)向上につなげる。
【関連記事】三井アウトレットパークマリンピア神戸、26日建て替え拡大オープン 買い物以外の機能充実
SCに買い物の場以外の役割も求められる中、地域との共生もますます重要になっている。地域の学校やサークルなどの団体に発表の場を提供したり、子育てファミリーを支援するイベントやサービス、防災活動などを強化するとともに、「地域のインフラ」としての機能を発揮し、足元商圏客の支持を広げる施設が一段と増えている。地域連携施策を中心にサステイナビリティーへの取り組みを強化し、成果を上げた施設も多い。
異業種との取り組みや新たなテナントを発掘するための直営店事業など領域を広げるディベロッパーも出てきた。いずれも新規事業拡大だけではなく、既存事業との相乗効果を目指す。