サザビーL、職人と消費者つなぐ新ブランド

2017/01/05 05:52 更新


 サザビーリーグは16~17年秋冬、トラッドをベースにしたレディスの新ブランド「ユニオンランチ」を立ち上げた。セレクトショップ向けに「グラフィットランチ」を手掛けていた加藤公子さんが企画し、工場の職人と消費者をつなぐ。農家やNPO(非営利組織)などとも組み、皆で共生するような仕組み作りも目指す。同社のロンハーマンでの販売のほか、他社セレクトショップや百貨店にも卸販売しており、直営店の出店も計画している。

 グラフィットランチ時代から、「いい工場を見つけても、後継者難などで次々と閉鎖し、まじめに服を作りたい人が作れる場所がどんどん無くなっている」と感じていた。状況を変えるには、作り手の顔が見えるように工場をブランディングすることが必要と考え、ユニオンランチでは商品の下げ札に工場の名前を入れている。「職人さんに提案した時は驚かれたけど、実際に名前が入って有力店に商品が並ぶと、みんなテンションが上がったみたい」と加藤さんは話す。

 農家との取り組みは、友人に高知県の農家を偶然紹介されたことがきっかけ。16年9月にイエナ自由が丘店で催事をした際には、野菜のマルシェも併催した。立地のニーズと合っていたこともあり、好評だったという。野菜だけでなく、塩職人が作ったこだわりの塩など揃え、客も含め「関わる人がハッピーになるような形」を目指す。

 16~17年秋冬は、イエナ自由が丘店のほか、ユナイテッドアローズ原宿本店、マルティニーク代官山店、伊勢丹新宿本店などでもイベントを行った。17年春は、ロンハーマン千駄ヶ谷店、有楽町店、福岡店などでの催事が決まっている。出店計画中の直営店では、野菜を使ったカフェなども開き、ブランドのメッセージや世界を伝えたいという。

17年春夏物から(ジャケット4万9000円、Tシャツ1万6000円、パンツ3万6000円)
17年春夏物から(ジャケット4万9000円、Tシャツ1万6000円、パンツ3万6000円)


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