三陽商会「三陽山長」と革靴をはいた猫が協業 不用な革靴を回収、靴磨き職人の育成支援

2022/12/13 11:00 更新


革靴をはいた猫の職人。年間5000足の靴磨きや靴修理を行う

 三陽商会の紳士靴ブランド「三陽山長」は、靴磨き・修理の革靴をはいた猫(京都市、以下革猫)との共同プロジェクト「三陽山長をはいた猫」を始める。不用になった三陽山長の革靴を店頭で回収し、練習用に革猫に提供、職人育成を支援する。革猫は、より高い技術が求められる高級な革靴を磨く機会が限られていた。今回の取り組みを実証した上で、革猫のリペアを経たものを認定中古靴として販売することも検討する。

 革猫は、京都市内に店舗を持ち、障害のある4人の若手職人らと年間5000足の靴磨きや靴修理を行っている。12月16日から23年1月31日の間、不用になった三陽山長の革靴の寄付を直営4店で募る。集まった革靴を靴磨きや修理の練習用として革猫に提供し、職人育成を支援する。対象製品はグッドイヤーウェルト製法の革靴で、寄付特典として直営店で使える3300円相当のリペアチケットをわたす。寄付目標は100足。

 プロジェクト担当の三陽商会事業本部の猿渡伸平課長は、「累計10万足近い革靴を販売してきたが、大切に保管されているものの、年齢や生活スタイルの変化によって履く機会のなくなった革靴は少なくない。それらを活用することで職人の育成に寄与したい」としている。革猫の魚見航大社長は、「日本を代表する紳士靴ブランドで経験を積み、厳しい品質基準に応えることで高品質なサービスを提供できる職人を育てられる」とコメントしている。



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