カットソー製品の川北縫製(香川県さぬき市)は、デザイナーの廣川玉枝さんをクリエイティブディレクターに、レディスの新ブランド「サヌア」を立ち上げた。21年春夏向けから販売し、12月6日には南青山に直営店をオープンする。
約10年前にメンズ中心の「カーリー」を始めて全国で販売先を広げ、軌道に乗るなかで、レディスウェアも作りたいと、「ソマルタ」のデザイナーでニットデザインを得意にする廣川さんと組んだ。柔らかで着心地の良いジャージーを吟味し、地球から生まれる自然の色や形、質感を肌で感じるようなデザインを意識し、大人の女性が楽しめるブランドを目指す。「川北縫製のある香川県や四国の豊かな土地、オリーブやレモンなど地域のストーリーを服に込めて提案していきたい」と廣川さん。ボタニカルダイを軸に、若干の化学染料を加えて発色性や堅牢度を配慮した染色でモダンに表現する。シーズンレスで継続して販売できるよう、ナンバーを入れてシリーズ化して品揃えしていく。
21年春夏の〝001〟は、瀬戸内海の色をイメージしてログウッドを採用した。約15型を企画、100番双糸のハイゲージのジャージーを使ったドルマンスリーブのトップ(2万6000円)、接結の天じくを使ったドレス(4万8000円)など、ドレープと青の濃淡をきれいに融合させている。布帛のツイルのように見えるジャージーを使ったコート(6万8000円)もあり、内側まで丁寧な縫製で仕上げた。
