大手百貨店の20年12月売上高(既存店ベース、速報値)は、前年同月比1~2割減少した。新型コロナウイルスの感染再拡大に伴って、外出自粛が広がって客数が落ち込んだのが響いた。引き続き、ラグジュアリーブランドなど高額品が堅調だったが、衣料品をはじめファッション関連が不振だった。
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三越伊勢丹は伊勢丹新宿本店13%減、三越日本橋本店が8%減で、客数が3割減少した。婦人服、紳士服ともに2割減となり、コートやジャケット、ドレスなど冬物が振るわなかった。通勤用途や大規模なイベントの中止など外出を控える傾向が続いた影響が大きかった。
高島屋は都心立地やインバウンド(訪日外国人)比率の高い店舗と、地方・郊外店で明暗を分けた。大阪店が22%減、新宿店が17%減、京都店が14%減、横浜店が11%減だった。一方で、岐阜と高崎のグループ店が前年を上回った。
大丸松坂屋百貨店は大丸心斎橋店が34%減、梅田店が24%減、東京店が33%減、松坂屋名古屋店が6%減だった。都心大型店は入店客数が3割減少した。そごう・西武は西武池袋本店が9%減だった。
阪急阪神百貨店は阪急うめだ本店が18%減。客数が都心店を中心に11月に比べてさらに悪化した。近鉄百貨店はあべのハルカス近鉄本店が19%減だった。
初売りは、福袋のネットを含む昨年内の販売を増やした結果、売り上げが4~5割減となった。冬物セールを夏と同様に日程を分散化し、一部12月に前倒しして早期化した影響もあった。当面は新型コロナ感染拡大の予防が最優先され、客数の大幅減が避けられない。
