沖縄に本社を置くビール会社、オリオンビールが進めるライセンス事業の売上高が約25億~30億円規模へと大きく成長している。沖縄を感じられるデザインとして、ファッションアパレルや生活雑貨などに広がってきた。
22~23年ごろ、コロナ禍の沈静化直後に旅行が復活し、SNSで「オリオンを着ることが沖縄映えとしてトレンドとなり大きく影響した」(新谷俊作マーケティング本部ライセンス課長)として、23年に本格的にライセンス事業がスタートした。コンセプトは〝おきなわ、チャージ〟。「いつでもどこでも、アウトドアや室内でも沖縄体験を感じられる商品作りが重要」とする。
非独占契約でライセンシーはファッションアパレル、雑貨、生活雑貨など約70社が契約している。県内、県外とも30社以上とほぼ半分ずつで、ロゴマークを前面に出した土産系統と、グラフィックファッションを意識した系統に分けている。海外でも広がりつつあり、「台湾や香港、北米などでのビールの普及、更にインバウンドが増えているため、海外からのライセンス契約の要望もある」という。今年の売上高も前年比増を見込んでおり、今後は課題である通年化を目指した取り組みを強化する考えだ。
同社は57年に沖縄ビールとして設立、59年に「オリオン」の名前でビールを発売した。89年コーポレートアイデンティティー導入で新ロゴマークを発表。10年代から土産商品で県内を中心にライセンス事業へ進出した。