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移住者が増える
人口2万4000人の茨城県境町は町内に駅もない小さな町だが、手厚い子育てや教育支援、住宅設備制度の充実などにより、移住者が増えている。ここ数年でスポーツ・レジャー施設も増え、寄付金額が7年連続して関東1位になったふるさと納税や自動運転バスの導入などにより町の認知度も上がってきている。さらにユナイテッドアローズと包括連携パートナーシップを結んだことも大きな魅力になっている。
橋本正裕町長はユナイテッドアローズとの連携により、「ブランディングや編集力を生かして町の魅力を全国に発信したい」と話す。12月7日には、建築家・隈研吾氏が手掛けた「道の駅さかい」にユナイテッドアローズの移動式店舗を出した。什器やスタンドも隈氏がデザインし、食料品やウェア、雑貨を販売する。首都圏からが7割を占めるという訪問者に向け、ユナイテッドアローズが編集した広報誌も配る。境町は都心から車で約1時間半。「服を買う時は都内まで行く人も多い」。そんな地元住民に喜んでもらうため、12月7、8日にはユナイテッドアローズのアウトレットを期間限定で出した。
干し芋や米、常陸牛など人気のふるさと納税返礼品が多い境町だが、ユナイテッドアローズとも新しい商品を企画した。地元の「さかい河岸ブルワリー」と創業170年の老舗の萩原酒造が組み、ビールと日本酒を出した。ボトルデザインだけでなく、酒の味から共同で考えたという。萩原酒造は境町産米「一番星」を使用した日本酒を開発した。
豊かな暮らし創造
町民に向けたサービスやプロジェクトも実施する。限定デザインのラッピング自動運転バスと高速バスを走らせ、ユナイテッドアローズがプロデュースした町の保養施設を25年4月に開設し、26年4月にリニューアルする町立の小中学校向けの体操服のデザインも手掛ける。移住・定住希望者に向けた賃貸住宅「アイレットハウス」のプロデュースも予定している。ライフスタイル全般にわたる多角的な取り組みを通じて、さらなる町の活性化を目指す。