《異業種ECに学ぶ》洋菓子製造販売のロマンライフ 限りなく実店舗接客の再現目指す

2021/11/24 06:27 更新


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濃茶のラングドシャ「茶の菓」のヒットがECを本格化させた

 洋菓子製造小売りのロマンライフ(京都市)はマールブランシュ京都北山本店ほか、空港の免税エリアを含む12店を運営する。全社売り上げに対し、自社サイト「京都北山マールブランシュ公式オンラインショップ」の売り上げ比率は10%。ギフト需要の高まりで新規客が増え、EC売上高は前年比約25%増と伸ばしている。

 現在の好調は20年4月からのコロナ禍第1波が転機となった。実店舗の休業でECに流入してきた新規客にDM、メルマガなどのアプローチを強めた。取り寄せやすくするためにこれまで実施していなかった送料無料を導入したことも加え、顧客数が一気に増え、増収に寄与した。

 ECは実店舗同様のサービスの再現を理想とする。高齢者への配慮として、あえて手間のかかる電話受注を強化している。もう一つの特徴は有料会員「ジョイフルバトン」の優遇施策。専用ページを設け、送料無料や先行予約などメリットを強く感じさせるものにして、顧客率を高めている。

 同社ECの理想は実店舗のサービスに可能な限り近づけること。そのため運営は実店舗で接客経験を持つ社員が行っている。一つの発注で複数の送り先がある場合でも、送り先に合わせて熨斗(のし)やリボン、メッセージなどを選べるようにしているのは接客現場からの発案だ。

 カートシステムは以前、パッケージソフトを使っていたが、最新システムが保てるようにクラウド型ASPに変更。送り先に合わせたサービスを可能とする国内唯一の食品ギフト専用クラウド型ASP「アイシップギフト」を導入している。

 今年8月にチャットボットを開始。対応テキストも接客経験からスタッフが作成した。チャット解決率は77%と高く、営業時間外の夜間のCVR(購買率)が高いことから、チャットボットも売り上げに貢献していることがうかがえる。今後の課題はUI(ユーザーインターフェイス)改善と接客の画面表現で、ビデオチャットやEC発注を補助する画面共有を模索する。

京都北山マールブランシュ公式オンラインショップのスマートフォンサイト

《データ》

 ECの前身はカタログ。人気の冷凍モンブランの取り寄せの問い合わせが増え自社サイトを開設した。マールブランシュは京都周辺ではケーキのイメージが強いが、濃茶のラングドシャ「茶の菓」がヒットしたことで全国に認知が広がり、ECが本格化した。20年にショップ、カフェ、工房、本社機能を備えた敷地面積約2400平方メートルの大型店舗「マールブランシュ ロマンの森」を開き、話題を呼んだ。

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