【パリ=松井孝予通信員】仏百貨店プランタングループは11月10日、再建計画を発表した。プランタンの年間売上高は5年間で17%減少(19年売上高17億 ユーロ )。衣料品消費の不振、2年にわたりクリスマスシーズンと重なった「黄色いベスト」暴動デモと公共交通機関の長期スト、そこにコロナ禍で都市封鎖と外国人旅行客激減の連鎖的打撃を受けた。
再建計画では、22年1月をめどにプランタン仏国内19店のうちパリ市内1店を含む4店、シタディウム8店のうち3店、合計7店の閉鎖、21年7月までに社員428人の削減が提示され、今後労使間で話し合いが行われる。
一方で、年間予算4000万 ユーロ をかけ、デジタルとオムニチャネル、販売の見直し、商品の強化、顧客の再開拓を進める。ラグジュアリーとクリエイターブランドに特化した自社ECサイトを3月に立ち上げ、強化に入った。
同グループは13年、カタール一族の投資会社DISAによる買収後、パオロ・デ・セザレ会長の指揮でパリ本店の大改装工事を進め、高級百貨店のリポジショニングを成功させた。傘下シタディウムの店舗数増強、ファッションやデザイン・インテリアのECサイトを買収しオムニチャネル化を推進し、昨年春にはデジタル化と国際戦略を盛り込んだ新10カ年計画を発表していた。しかし売り上げ低迷を理由にこの2月、セザレ会長が解任。米ティファニー&カンパニーの戦略ビジネス部門バイスプレジデントを務めたジャンマルク・ベライシュ氏が10月1日に同ポストに就任した。