24～25年秋冬パリ・オートクチュール　トム・ブラウンは五輪を意識したスポーツからの引用

　【パリ＝小笠原拓郎】24～25年秋冬パリ・オートクチュールウィークは、パリ五輪開催に伴う混乱を避けてか、例年よりも参加メンバーが寂しい状況となった。「ヴァレンティノ」や「フェンディ」が発表を取りやめたほか、いつもよりダウンサイジングした見せ方も多い。

　トム・ブラウンはパリ五輪を意識した白を軸にしたコレクションを見せた。ランウェー上で白いロープを持ったモデルたちが綱引きをして、ショーはスタートした。ゴールドの月桂樹の冠を被ったモデルが着るのはビーズ刺繍のコート。白いジャケットやコートはインサイドアウトだったり、芯地がのぞいたり。肩パッドを重ねた立体的なフォルムのドレスなど、むき出しのディテールで見せる。

　そんなアバンギャルドなスタイルのモデルが手にするのは、刺繍枠のようなパーツ。そこにスポーツの要素が加わるにつれ、刺繍枠のパーツがバドミントンやテニスのラケットのように見えてくる。ドレスに描かれたトロンプルイユの水着、筋肉の繊維を刺繍したようなコート。最後にブロンズとシルバー、ゴールドの刺繍のジャケットを着たモデルが表彰台に乗ってフィナーレとなる。