【パリ=小笠原拓郎】26年春夏パリ・ファッションウィークは、新デザイナーによるリブランディングが毎日のように発表され、必見のコレクションが相次いだ。一方で、実力派デザイナーのブランドの新作発表も見逃せない。そんな喧噪(けんそう)の日々が続くシーズンとなった。
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シャネルのショー会場である歴史的建造物グランパレに入ると、そこには太陽系の惑星たちが浮かんでいる。地球、太陽、土星、木星。巨大な天体の模型とそれが映る漆黒のランウェーでショーは始まった。
ウエストでバッサリと切り落としてしまったショートジャケットのパンツスーツ。その腰からはリブ編み下着がはみ出ている。オーガンディのトップと組み合わせるのはランジェリースカート、レザーのスリットスカートからは大胆に脚をのぞかせる。分かりやすいメゾンのコードで無難なコレクションにするのではなく、マチュー・ブレイジーが選んだのは大胆でしたたかな女性像だ。

ベージュのツイードジャケットは裾が裁ち切られ、ドレスは裾がフリンジ状に波打つ。まるで使い古したかのような見え方だが、もともとのプロダクトクオリティーが高いため、その加工もある種の迫力となって伝わってくる。
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