オンワード樫山のSC向け婦人服「エニィスィス」が好調だ。16~17年秋冬は仕掛けたコートやボトム、セットアップが売れ、16年9~11月のプロパー売上高は前年同期比10%増だった。
スタイリング提案を重視し、毎月の検討会で企画から店頭プロモーションまで一貫して組み立てることで客数が増えている。
昨年の実績や反省を生かした仕掛けがヒットにつながった。15~16年秋冬は「コーディガンで売り上げを取り切れなかった」反省から、今秋冬は9月の主力品としてコーディガン(8900円)を投入、4700枚を販売した。
10月にコーディガンタイプのコート(1万8000円)、11月にフォックスファー付きコート(2万6500円)などが売れ、ウールコートのプロパー売上高は49%増。
期中値下げを減らしてプロパー消化率を高めた。非ウールのプロパー売り上げも17%増となり、「12月に玉切れしてしまったが、あればもっと売れた」。
バリエーションを広げたボトムも当たった。もともとスカートが強いが、16年春夏にガウチョパンツが売れたため、秋冬もパンツの投入量を30%増やした。ガウチョパンツとスカウチョを中心に、ボトムのプロパー売上高は59%増と伸びた。アウターは気候に左右される分、トップとのスタイリング提案を強化し「ボトムとトップで確実に売る」戦略が実を結んだ。
セットアップ販売も成果を上げている。トレンド性があり、仕事着としても使えるきれいめがヒット。9月はジャンパースカートとハイネックニットのセットアップ(1万円)が8000枚、10月は雑誌『キャンキャン』と協業したワンピースのように見えるニットトップとスカウチョのセットアップが9000枚売れた。
仕掛けるセットアップは価格とトレンド性を説明しやすい点もポイント。販売員のセールストークに差がつかず、全体でヒット率が向上した。
毎月の検討会の精度も上がってきた。月別MDをスタイリング軸で週ごとの提案に落とし込み、仕掛けるスタイリングを決定。店頭販促までトータルで考えて、入店率と買い上げ率が高まった。キャッチーな先行商品で入店率を高める一方、買ってすぐに着られるジャストシーズンの「即着」アイテムも用意して、様々なニーズに応えられる商品を常に店頭に揃えている。
ECも伸びているため、今後はブランドサイトも強化する。