オアシス・ジャパン(東京、リー・イーション代表取締役)が、子供向けのスマートデバイスの販売に力を入れている。時計やカラオケマイク、タブレット型スケッチブックなど、商品ラインナップを充実。「21世紀の子供には21世紀のおもちゃが必要」として、提案を強めている。
(佐々木遥)
同社は、シンガポールを拠点にスマートデバイス関連の商品を販売するオアシス・アジアの日本支社として17年に設立された。本国ではスマートウォッチの販売で有名になり、近年は子供向け「マイ・ファースト・シリーズ」の開発・販売に力を入れている。
生活を便利に
同シリーズの主力商品は、GPS(全地球測位システム)やアラームなどの機能が付いた「見守りウォッチ」。対象年齢は6~12歳で、アプリと連動し、親とチャットすることも可能だ。SOSボタンを押すと自動的に音声が録音され、いじめや犯罪の証拠としても活用できる。日本では18年夏にクラウドファンディングサイト「マクアケ」で販売をスタート。今春には最新モデル(1万9800円)を出す予定だ。大人も使えるシンプルなデザインで、認知症の方が使うケースもあるという。「人の生活を便利に変えていけるようなモノを提案していきたい」という。
ほかにも、写真や動画を撮影できて、インスタントカメラのようにその場で現像できる機能の付いたカメラシリーズや、アプリと連動して描いた絵をスマートフォンで見られるタブレット型のスケッチブック、室内用ドローン、ブルートゥース(近距離無線通信)のカラオケマイクなど、多彩なアイテムを揃える。
ニーズ高まる
商品の幅を広げているのは、「新しいカテゴリーを創るには商品数が必要だから」。実はこの数年、日本での同シリーズの販売は苦戦気味だった。シンガポールやアメリカの売り場では「ファミリー&エンターテインメント」というカテゴリーで販売しているが、日本には同様のカテゴリーがない。「知能おもちゃ」はあるが、同シリーズのような「TECH・TOY」のカテゴリーは見当たらない。販売先は電器店なのかおもちゃ専門店なのか、「フィットするカテゴリーを見つけるのが難しかった」という。販売先の開拓に苦労したが、少しずつ商業施設での期間限定店での実績も作ってきた。
子供を取り巻く環境はどんどん進化しており、「ITや動画、音楽などを取り入れた商品のニーズは高まっている」。同シリーズには「大きなポテンシャルがある」として、意欲を見せる。