【ニューヨーク=杉本佳子通信員】24年春夏ニューヨーク・コレクションは、ショーもプレゼンテーションも数が減っているが、若いデザイナーたちが参加しやすい土壌であることに変わりはない。プレゼンテーションの仕方も様々で、自由な発想に好感が持てる。
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メリッタ・バウマイスターは、ブランド立ち上げ10年目にして初のプレゼンテーション。ロワーイーストサイドの小さなイベントスペースで、ユニークな見せ方をした。手前の部屋にモデルを立たせ、奥の部屋にスクリーンを置いて、デザイナー自身が出演するパロディーフィルムを流す。例えば、まじめに撮影しようとすると、服が覆いかぶさってくるといった〝アクシデント〟を面白おかしく見せる。ファッションが自分たちの日常を時には邪魔し、時には活力となることを意味したとデザイナーのバウマイスター。一方、モデルたちはただ立っているだけかと思ったら、突然2人のモデルが大量のおもちゃのヘビを床にばらまく。他のモデルたちはゆっくり歩き回りながらそのヘビを拾ってはまた放り投げる。「服はカーブによって形作られている。ヘビがコレクションのシェイプをなぞっている」という観点でヘビを取り入れたという。モデルたちは、イヤホンを通じて送られてくる振付師の指示に従って動く。
販売先は現在、ドーバーストリートマーケットの全店、香港のジョイス、北京のSKPセレクト、原宿のGR8に入っている。
ケイト・スペードニューヨークは、ハイラインのチェルシーパッセージにモデルを並べ、屋外でのプレゼンテーションをした。入り口には巨大な白いバラのコサージュをディスプレー。このコサージュは今シーズンのアクセサリーのポイントで、チョーカー、ハンドバッグ、サンダルに付けて華やかさと楽しい遊び心をプラスした。