能登半島地震からまもなく2カ月 動き出す北陸産地 いまだ再開できない小事業者

2024/02/22 08:00 更新有料会員限定


一部で天井パネルが落下し、仮修繕で生産を再開した丸井織物

 能登半島地震の発生からまもなく2カ月を迎える。震源の石川県を含む北陸地方は日本を代表する化合繊テキスタイルの産地だが、大手・中堅を中心に壊滅的被害は免れた。ただし、建屋の補修や稼働減で億単位の被害額が出た企業もある。一方、小規模事業者のなかには今も生産再開できていないところがあり、サプライチェーンが一層弱体化するとの懸念も聞かれる。

(中村恵生)

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早期復旧も重い被害額

 織物製造で国内最大手の丸井織物(中能登町)は本社工場が能登半島中部に立地、震度6弱の揺れに見舞われ建屋や生産設備の一部が損傷した。復旧まで時間を要すると見られたが、1月9日には織物の全工場で生産を再開、影響がより大きかった準備工程の七尾工場も15日に稼働するなど想定より早期に復旧できた。

 「過去に台風で屋根が飛んだことがあり、その経験が生きた」と宮本徹会長は初動の重要さを指摘する。宮本会長は地震直後に生産部長と一緒に工場の状況を確認。一部で天井ボードなどが落下したほか、1トンほどある経糸を巻くビームが落下・破損するなどし、「操業中ならけが人が出ていた」と肝を冷やした。

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