日通、バベット地区発混載サービス

2016/08/18 06:58 更新


 日本通運は、8月からカンボジア・バベット地区発の日本向け混載サービス「ネックスサオ・カンボジア・サット」を開始した。バベット地区はべトナムとの国境地帯に位置し、ホーチミン市まで約70㌔、車で約1時間30分の距離にある。

  FCL(荷主がコンテナ1本借り切った貨物搭載)ができない企業を対象に、コンテナ1本に満たない小口貨物(LCL)をバベット地区の日通自社契約施設のCFS(混載貨物専用倉庫)で1本のコンテナにまとめ、国境やホーチミン港での積み替えなしで日本まで一貫輸送する。

 

繊研新聞社様への提供素材

 

 バベット地区発の日本向け混載サービスは業界で初めて。バベット地区の日通自社CFSでは荷主の要望に応じて、工場までの引き取りも可能。日通のバベットCFSからホーチミン港までトラック輸送し、ホーチミン港から東京港・大阪港まで海上輸送する。

 週1回定期運行し、東京向けは毎週木曜日バベットCFS預かり、翌々週月曜日東京CFS搬入でリードタイム11日間(従来同社サービス比3日短縮)。大阪向けは毎週水曜日バベットCFS預かり、翌々週火曜日大阪CFS搬入でリードタイム13日間(同5日間短縮)。

 コストも同サービスを1とすると航空輸送は8、海上輸送(コンテナ貸し切り)は1・8、海上輸送(混載)1・1と競争力がある。自社CFSでの作業と自社トラックによる一貫輸送、積み替えなしの作業で荷物へのダメージも少ない。

 バベット地区には四つの経済特区が設置されており、日本向けの輸出ニーズも高まっている。既に日系企業15社が進出し、約半数がアパレル関連(手袋、作業服、カットソー、下着など)。中国系工場では日本のファストファッション向けにカットソーを中心として生産が増えている。日通は「すでに2、3社の荷主から引き合いがある」という。

 日通は14年に日系物流企業で初めて、カンボジア・ベトナム両国間を同一車両で通行できるベトナム政府の許可を取得し、国境・港での積み替え作業を行わないコンテナ貸し切り・陸海一貫輸送サービス「カンボジア・サット」の販売を開始。15年7月にはコンテナ1本に満たない貨物を積み合わせる混載サービスを開始、同年11月には大阪向けも開始していた。



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