《異業種ECに学ぶ》製パン製菓材輸入の日仏商事 消費者に向けた企業ブランディング

2021/05/04 06:28 更新


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フランス食文化を紹介

 企業向け製パン製菓材料・機械などを輸入販売する日仏商事(兵庫県神戸市)はBtoC(企業対消費者取引)の拡大を見据え消費者への認知度を高めるために、自社サイトで「N&F e(イー)ブティック」(以下、eブティック)を17年から運営している。「フランスの食文化を知ってもらう」がコンセプト。商品は、フランスからの輸入品の紅茶やココア、ジャム、シロップ、イースト、調味料、酒類などのほか、自社で製造を始めたチョコレートなど。従来取引先の大手の問屋に卸している物と重ならないようにしている。

 食品は品質や味が良くても、認知されなければ売れない。賞味期限もあり、売れるまで長く待てず、売れなければ商品の改廃が早いのも特徴だ。オンラインでは試食ができないため、サイト開設した後にECで扱うほとんどの商品を販売するアンテナショップ「ボンナップ」を本社1階に開いている。

 同社の歴史は65年、東京国際見本市に出展した「フランスパン」に始まる。当時の日本ではまだフランスパンが珍しく、日本で作るには菓子パンなどに使われる生イーストが使われていた。本物のフランスパンを作りたいという日本の職人たちの思いに応え、先代社長がフランスで使われているオーブンやドライイーストの輸入を始め、69年に会社設立となった。同社がドライイーストの輸入を始めたことで日本でも本格的なフランスパンが作られるようになった。以来、食品製造の機械、ケーキのモンブランに欠かせない「サバトン」のマロン製品、紅茶やワイン、ワインセラーなどの輸入へと広がり、製パン製菓業界で同社は大きな存在となっているが、一般消費者への認知度は低い。

「N&F eブティック」サイト

直接消費者へ

 商店街などの路面の洋服専門店が減少しているのと同じく、街中でパンやケーキを焼く専門店も事業承継の難しさなどから事業者数は減少傾向にあり、BtoB(企業間取引)ビジネスだけでは厳しい局面が続く。同社でも直接消費者への販売チャネルを持つことが必要になっていた。

 eブティックはBtoCへの基点として、企業認知度の向上と顧客接点の場を持つことが主眼となっている。そのため収益性の追求よりもコーポレートサイトと連動するなどして食文化の紹介を色濃く見せている。

《データ》

 ECは貿易商社のBtoC進出の足掛かりとしてのポジショニング。小売業としてより、フランス食材のバイイング能力が高い企業であることを消費者に知らせるブランディングの役割の方が大きい。食品はSKU(在庫最小管理単位)が多い上、同じ商品でも賞味期限が違うと同じSKU内でもマークダウンのタイミングが異なるものも生じる。そうした個別商品データの在庫管理システムの開発の場としても役割を担っている。

(繊研新聞本紙21年3月24日付)


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