【新型コロナウイルス情報】服飾副資材各社の中国拠点 納期の見通しに苦慮

2020/02/28 06:27 更新


 中国に生産・販売拠点を構える服飾副資材各社では、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が広がっている。今週に入って現地拠点の動きが本格化し、備蓄資材や代替品による供給手配が始まりつつあるものの、現地調達先の再開の遅れや物流の停滞などで納期の見通しが立たない状況に苦慮している。事態が長引くほど機会ロスも大きくなるとし、早期の収束を求めている。

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 資材卸、メーカーの上海などの現地法人や事務所は、「2月10日から現地スタッフを中心に稼働」(清原)を始め、「早めに生産状況をつかみ、お客に伝える情報共有を重視、徹底」(島田商事)してきた。日本からの管理者や外地からの従業員に14日間の在宅勤務が義務付けられたこともあり、24日から本格的に動き出している。一方、供給先の縫製工場や仕入れ先の現地資材メーカーでは、再開許可待ちのところも多いという。再開しても工員が戻らなかったり、生地・資材が揃わないことなどから、従来の2、3割の稼働状況とみられる。

 資材各社には日系企業から納期の問い合わせが増え、一部に「国産資材への代替の問い合わせがスポット的に増えている」(モリト)、「靴、ベルト用資材で中国送りからバングラデシュ送りへの変更があった」(三山)などの動きもある。また、「1カ月前倒しぐらいのストックはできている」(室谷)など、各社は定番品を中心に一定の備蓄も生かしながら当面をしのぐ体制で臨んでいる。

 しかし、中国での通関や物流の滞留もネックとなり、共通して「納期が回答できない」事態が生じ、中国を軸とした日本向けや東南アジア向けのデリバリーが問題になっている。すでに「キャンセルや企画中止が出ている」との声もあり、事態の長期化による機会ロスを懸念する声が強まってきた。「アパレルメーカーは3月中旬には方針判断するだろう」とみる企業もあり、あと2、3週間のうちに現地調達や物流がどこまで回復するかが焦点となりそうだ。

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