【新型コロナウイルス情報】稼働率は回復も、物流がネックに

2020/02/27 06:30 更新


華東地域の日系企業 稼働率半分以上が6割

 【上海支局】華東地域日商倶楽部懇談会(2月19~21日=回答企業949社)が華東地域の日系企業に新型コロナウイルスの影響についてアンケート調査を行った。それによると製造拠点の有無に関わらず約6割の企業の稼働率が半分以上だった。

 それが3月2日時点では7割の企業が70%以上にまで回復し、100%回復する見通しの企業は30%を超えている。約半数の企業で、ほぼ全ての駐在員が中国国内で業務に従事しているが、駐在員の半数以上を日本で待機させている企業も3割あった。

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 その一方で、事業再開のボトルネックとなっているのは、製造拠点をもつ企業(570社)は、「省市をまたぐ物流の制限」72%、「取引先の体制の未整備」54%、「物流のキャパシティの不足」48%の順だった。製造拠点を持たない企業(379社)は、「取引先の体制の未整備」50%が最も多く、「外部とのミーティング制限」と「オフィスや工場への出社制限」がそれぞれ48%で続いた。

 中国政府に期待する内容は、「省市を跨ぐ物流の円滑化」72%、「重点汚染地域以外からの流入者の14日間の自宅待機の緩和」52%、「防疫用品の供給量拡大」52%、「日系クリニックの早期再開」38%などとなっている。

香港のパシフィック・テキスタイルズ 4億~4億5千万香港ドルの減収見込み

 香港では、東レが資本参加する丸編み大手、パシフィック・テキスタイルズ・ホールディングスが25日現在、中国工場の稼働率は80%以上にまで回復したと発表した。生産再開の遅れで売上高が4億~4億5000万香港ドル減る見込みとの見通しを示している。

ミラノサローネ国際家具見本市 6月に延期決定

 【ミラノ=高橋恵通信員】北イタリアにおける新型コロナウイルス感染拡大を受け、4月21~26日に予定していた「第59回ミラノサローネ国際家具見本市」の開催が、6月に延期されることが決まった。新会期は6月16~21日。

 ミラノのジュゼッペ・サラ市長は、ソーシャルネットワークのビデオで、業界関係者すべてに協力を求めている。「今、ミラノは前進しなくてはならない。新型ウイルスを抑え込むと同時に、『不信』というウイルスの拡散も阻止しなくてはならない。この延期の決断は正しいと信じている」とした。また、政府の協力を求めると同時に、ホテル業界に対し、この会期変更に関する柔軟な対応を要請した。

 「ミラノサローネ国際家具見本市」は、伊ミラノで毎年4月に開催される世界最大級の家具見本市。昨年は、181カ国・地域から38万6000人以上が来場した。

楽天ファッション・ウィーク東京20年秋冬 実施の可否を3月2日に発表

 日本国内でも、様々な発表が相次いでいる。

 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW推進機構)は、3月16~21日に開催を予定する「楽天ファッション・ウィーク東京20年秋冬」の実施の可否を、3月2日にオフィシャルサイトで発表する。新型コロナウイルスの影響を受けて、運営に関わる全ての人の安全・安心を第一に、早急に最善策を決定したいとしている。また、参加を予定していた一部の海外ブランドと、「タエ・アシダ」「ティートトウキョウ」「ルプコ」「ヨシダロベルト」は既に中止を決めている。

第30回東京ガールズコレクション 無観客での実施を発表

  Wトーキョーは2月26日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月29日に開催を予定している「第30回マイナビ東京ガールズコレクション2020・スプリング/サマー」について、無観客での開催とすると発表した。当日は無観客での開催に適した内容に再構築し、LINEライブでの生中継とメディア配信を行う。

 来場を予定していた客には、チケットの払い戻しを実施することも発表。払い戻しの期間や方法などの詳細については準備が整い次第公式サイトで発表するとしている。

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