MDが使う「算数」をショップ運営に役立てよう!《第3講》㉟(佐藤正臣)

2024/02/07 06:00 更新


(第3項)ショップの在庫は足りないの?多いの?

9. 売上構成比と売場の見た目構成比と在庫構成比②

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せんせ、お知らせがあります!

先週、私のショップの売上が、売上予算比で130%を超えました!



おめでとうございます。ところで、売上予算比130%を達成できた要因は何ですか?



先週の月曜日に入荷したある商品が大ヒットしまして、その商品の売上構成比が16%を超えていました!

前回の講義でせんせとDさんが仰いました、大ヒット商品が出て売上上位品番の売上構成比が(通常よりも)高くなると、売上が伸びる可能性が高い!まさに実感しました。なんだが、この講義で学んだことが少しずつ身を結んでいる気がします。



商品の力だけでなく、当然Dさんのショップマネジメントが素晴らしかったということも、私はよくみていましたよ。



Dさん、ありがとうございます。



少しでもこの講義がお役に立てていたのならば、嬉しい限りです。ということで、今回の講義から、より在庫に関するお話を増やしていきます。よろしくお願いいたします。



よろしくお願いいたします。



今回は、TさんではなくDさんに質問です。

MDがシーズンの商品item投入数を決める際に、(理想のショップとなるように)前提とする考え方があります。Dさん答えられますか?



“(あるカテゴリーの)売上構成比と(あるカテゴリーの)売場の見た目の構成比一致の法則”を活用することです。



流石Dさん。MD講義で学ばれているだけあって流石です。では、もう少し具体的に読者の皆様に説明していただけますか?



へい。以下の図のようなショップがあるとします。

 

このショップの標準展開商品数は184点です。今回は1SKUにつき1点を店頭に展開すると設定します。仮にこのショップのブラウスの売上構成比が20%だった場合、ブラウスの標準展開SKU数は何点になるのが理想なのか?と言いますと、

184点×20%(ブラウス売上構成比)=36.8SKU

ということで、このショップには37点ほどのブラウスが店頭展開されていることが理想であるという考え方です。



Dさん、解説ありがとうございます。

各カテゴリーの売上構成比と売り場の見た目の構成比が一致するというのは、お客様の立場に立てば理想的ですし、ショップ・ブランドのコンセプトを体現したものになりますね。

この考え方は、あくまで理想であって絶対ではないのですが、この考え方をショップのVMDに活用してほしい!というのが、今回の講義の趣旨となります。



なるほどです。せんせ、一つ質問があるのですが、ショップでカテゴリー別の見た目構成比は、いちいち商品数を数えるのも大変ですし、ショップでは感覚でしか見られないと思うのですが、もっと簡単に見極める方法はないのですか?



Tさん、素晴らしく良い質問です。

実はショップの見た目構成比に近しい指標があります。それは在庫構成比です!では、在庫構成比が具体的にどんなことか、以下説明いたします。



よろしくお願いいたします。



在庫構成比の計算式は、

(あるカテゴリーの)在庫構成比=(あるカテゴリーの)在庫原価÷(ショップ全体の)在庫原価

となります。基本的には原価で計算しますが、点数でもほぼ同じ数字になる可能性は高いです。



せんせ、この在庫構成比という指標を、ショップでは具体的にどのように活用したら良いのですか?



Tさん、またまた良い質問です。ですが、今回は字数制限で終了となります。次回は、この続きからお話します。



残念。



では、皆さん。次回もお楽しみに!

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佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



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