MDが使う「算数」をショップ運営に役立てよう!《第3講》㉕(佐藤正臣)

2023/10/04 06:00 更新


(第2項)目標設定・管理の重要性

(番外編)販売の仕事における付加価値を考えてみよう!(粗利益は付加価値)②

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前回の講義は、付加価値=粗利益であり、付加価値が高い商品やサービスを提供すれば、粗利益高が大きくなる!ということで、付加価値が高い商品をDさんに解説して頂きました。今回の講義では、販売の仕事で生み出せる付加価値とは何かを、皆で考えてみたいと存じます。

基本的に、販売の仕事の中で付加価値を生み出す仕事を考えるときは、売上が大きくなれば、粗利益高も大きくなるという側面から、売上に直結する仕事を考えると良いでしょう。

ではTさん、ショップにおける販売の仕事は様々あると思うのですが、どのような仕事が付加価値を生み出せますか?



はい、接客の仕事です。



これは間違いありませんね。接客が得意な販売員の方がいれば、売上アップ→粗利益にアップに繋がります。近年、接客が得意な販売員の方は、その付加価値の高さから、企業間で争奪戦になっていますし、金銭面でも優遇されることが増えてきました。これは、良い傾向であると私も感じています。Tさん、他にもありますか?



在庫把握の仕事です。特に売れ筋商品の在庫をしっかりと確保することは重要だと思います。



流石Tさんです。売れ筋商品の在庫を確保できなかった場合は、売上の公式で言う買上率が低下し客数が低下します。よって売上が大きく下がり、粗利益高が下がる場合があります。

大きい組織の場合などは、ショップだけで売れ筋商品の在庫を確保することは難しいかもしれませんが、本部のMDやディストリビューターとコミュニケーションをとり、常に在庫状況を把握しておくことは、付加価値を生み出せる仕事になりますね!在庫に関することは、私の専門分野になりますので、第3項で詳しくお伝えいたします。



承知しました!



Tさんの意見を補足すると、売れ筋商品の在庫を確保した上で、ショップのVP(ヴィジュアル・プレゼンテーション)に展開する。同時に、お客様に売れ筋商品の魅力がより伝わるディスプレイを作るなど、VMD・ショップレイアウトの仕事も、付加価値を生み出せる仕事になりますね。ディスプレイごと購入して頂ければ、売上の公式内のSET率も向上しますしね!



ブラボーです!ではTさん、他にもありますか?



せんせ、もうギブアップです(˘・_・˘)



では、私が答えますね。昨今販売の仕事で重要度が増している仕事は、デジタル活用です。弊社も最近は特にこの部分に力を入れています。

せんせが販売員だった頃(約20年前)と、現在は大きく時代が変わり、現在では販売員によるSNS運用を活用したコーディネートのアップやブログ等記事の作成。さらに言えば、動画ツールを活用したライブコマース・デジタル接客の実施が、ショップのみならず、組織全体の売上アップに貢献しています。そのようなデジタル施策の精度を上げることも、販売の仕事が生み出せる大きい付加価値になっています。

また、最近ではそのようなデジタル施策の効果が測定できるツールも登場し、販売員の生み出している付加価値が可視化出来るようになったことも、販売の仕事の価値を上げている要因となっていますし、現場スタッフのモチベーションアップにも繋がっています。



Dさん。私が疎いことを簡潔にわかりやすく解説して頂きありがとうございます。



とんでもございません。一つだけ補足がありまして、そういったデジタル接客等の測定をするツールには、解釈等によっては、(スタッフの貢献度を)水増しできるツールもあるようなので、私の会社はその辺の設定は慎重に行っています。



Dさん、貴重な情報をありがとうございますm(__)m

最後に私の方から、さらに販売の仕事で生み出せる付加価値をお伝えさせていただきます。

それは、ショップの掃除・整理整頓です。以前の講義でショップのロス率について学びましたが、その講義の際に、ショップの整理整頓が行き届いていないショップは、ショップのロス率が高まり粗利益が減るとお伝えしました。このことから考えると、ショップの整理整頓の仕事は、付加価値を生み出せる仕事と言えます。

また、清掃が行き届いていないショップは、そもそも入店する気がしないお客様が多いでしょうから、そのことで客数減る可能性が高まります。ショップの清掃をマメに行うことは、お客様の入店を促進する可能性も高まりますから、付加価値を生み出せる仕事だと言えますね!



ショップの清掃、整理整頓は、改めて肝に銘じておきます!



ということで、今回の講義のまとめです。販売の仕事で生み出せる“付加価値”を考えること。そして、その付加価値を生み出す仕事を目標設定・管理することが、さらなる効果を生み出す!ということで、今回の講義は終了です。

次回の講義からは、目標設定したものをどのように管理していくのか?に繋がる話、PDCAサイクルについて学んでいきます。



では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~

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佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



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