(第2項)目標設定・管理の重要性
4.目標設定の重要性を知る③
前回の講義で、目標設定において意識すべき5つの項目を学びました。
SMARTの法則ですね!
Dさん、ありがとうございます。5つの項目を日本語で復習しましょう。
- 具体的・わかりやすい
- 計測・測定可能
- 達成可能
- 関連している
- 期限を区切る
ということで、TさんにこのSMARTの法則を使って、目標設定をして頂きたいのですが、、
せんせ。SMARTの法則は復習してきましたし、頭の中では理解出来ているのですが、いざショップの目標を立てようとしても、まだ使いこなせるほどの知識にはなっていません。
まずは、せんせに手本を示していただきたいです。
手本ですか、わかりました。では、私が一つ目標例を示したいと思います。この講義の冒頭でお話したように、私の本職はMDアドバイザーですから、今回は商品の目標設定について考えてみますね。
まず、今回はショップで行われるイベント時の目標を立てることにします。これで、期限を区切るという項目を満たせますね。
- 期間設定 3月15日~24日(10日間)ポイント5倍イベント
Tさんに質問なのですが、イベント時の売上予算は設定されていますか?
はい、設定されています!
それでは、今回目標に掲げるショップのイベント時の売上予算は500万円と設定します。
次は主力商品を設定し、目標を設定します。
- スウェットロゴパーカー 元売価12,000円
上記の商品を、ショップの主力商品を展開するハンガーラックA(VP)に展開します。昨年同時期にハンガーラックAに展開した商品が、1日4.5点ペースで売れていたのを根拠とし、上記の商品の1日あたりの売上数目標を、達成可能な数字である1日あたり5.5点ペースで売ることを目標にします。すると、10日の数字目標は以下の通りになります。
→1日平均売上数目標5.5点×10日間=55点(10日間での売上目標)
→12,000円(元売価)×55点=660,000円(商品の売上目標。売上予算の12%)
これで、達成可能な数字目標が完成しました。
( ..)φメモメモ。
今回の商品は、ハンガーラックAに展開されているということなので、ハンガーラックAの側に、目標商品をコーディネートしたディスプレイ(以下DP)を置きます。
さらに、そのコーディネートをショップスタッフに着用、SNSで発信してもらい、お客様に対する訴求を高めます。これで、商品とVMD・コーディネート・SNSを関連させた目標になりましたね。
せんせ。せんせにしては、まあまあな出来の目標設定だと思うのですが、目標商品を使ったコーディネートの目標など、さらに具体的にした方が良いのではないですか?
さすがDさんです。ですが、今回は店長が掲げる目標設定を考える!ということですから、上記の目標を更に具体的にするよりも、店長がこの目標を各スタッフと共有し理解を深めた上で、ショップスタッフに自身に目標達成のための行動計画を立てさせることが重要ではないでしょうか?
なるほどです。あまりにも、店長が目標設定を具体的にしすぎても、その分ショップスタッフの成長を削ぐ結果になりかねない!ということですね。
Dさん。ご理解頂きありがとうございますm(__)m
また、今回上記の目標設定はVMDの仕事に関連していますが、当然のことながら上記の目標を達成するには、その分の在庫が必要なので、MDからの商品情報を把握し、SVやディストリビューターと連携して在庫を確保することも重要となります。
( ..)φメモメモ。
さらに、上記の目標設定で着眼して頂きたいのは、「この目標をクリアしただけで、ショップの売上予算の12%も獲得できるんだよ!」というように、「これだけで、こんなに数字が行くのならば、ショップの売上予算も達成出来そうな気がするな~」と、ショップスタッフの仕事に対する気持ちを楽にしてあげることも重要ですかね。
なるほどです。「(予算達成)ナンカイケソウナキガスル~!(天津木村風)」と、ショップスタッフに感じてもらうことは、私自身とても意識して、今も仕事を実践しています。
ということで、今回の講義はこれで終了です。
次回から、新しい項目である“売上の公式とは?”を勉強していきましょう!売上の公式を、目標設定に活用するには、このSMARTの法則が重要となりますので、Tさん、今日の講義を復習しておいてください。
はい。了解いたしました!
では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~
佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp