アルファテックス(群馬県桐生市)はアラ商事グループの関連会社で、ネックウェア生地、婦人・紳士服生地の製造・販売のほか、ネックウェアの縫製からアラ商事の物流業務まで多様な事業を持つ企業だ。主に製織を担う桐生市の工場と、ネックウェアの縫製と物流を担う館林の工場の二つの自社工場による一貫生産体制を背景とした、スピーディーで柔軟な対応が強みだ。
熟練工が細かく調整
1954年創業の京都ネクタイ研究所に端を発し、桐生市で前身企業となるアラ産業が設立されたのが69年。以来、50年以上にわたって群馬県でものづくりを続けている。90年からは、館林の工場も加わった。
桐生市の工場では、主力商品の一つであるネックウェア生地と、婦人・紳士服生地の製造を担う。その建物は、糸が乾燥して切れないよう湿度を保つために、窓がほとんどない姿が目を引く。
製造する生地のうち6割がアラ商事向けで、4割が外部の企業向け。シルク、ポリエステル、コットン、ウールなどを使い、様々な用途の先染め織物を作ることができる。
特徴は、専属のデザイナーが取引先の要望を聞き入れてデザインを起こしてから、生地にして検品するまで、ほぼ全工程を自社工場内で完結させられること。外注するのは、仕入れた原糸の染色と糊(のり)付けなど整理加工のみだという。
製造工程で最初の腕の見せどころは、柄をどのように織りで表現するかを決める設計図にあたる「紋」を作る製紋だ。緯糸の出方をドット絵のようにして決めていく精密な作業で、ある程度はコンピューターでシミュレーションできるが、細かい調整は熟練した2人のスタッフが担当する。データはフロッピーディスクに保存される。
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