三村小松山縣法律事務所 〝ファッションロー〟に特化した専門チーム発足

2021/01/06 06:30 更新


 三村小松山縣法律事務所(東京、代表弁護士=三村量一、小松隼也、山縣敦彦)は、ファッション産業の発展に寄与する目的で、〝ファッションロー〟に特化した専門チーム「ファッションロー・ユニット」を所内で発足させた。業界での職務経験もあるメンバーを含めた6人の弁護士で構成し、知的財産権の問題から各種の契約、下請け、海外との交渉まで、ファッション産業に求められる案件のほぼ全てを網羅する。「個別の問題解決だけでなく、立法への働きかけなどロビー活動にも積極的に取り組む」という。

(永松浩介)

 業界では、幅広い分野で法的問題が山積みだが、法律知識や順法精神に乏しいところもあり、専門家との連携は十分とは言えない。文化や環境、ジェンダーに関する新しい問題も増えるなか、業界特性を踏まえた柔軟なリーガルサービスへの期待が高まっていると判断し、ユニットを立ち上げた。

 構成する弁護士は、三村量一氏、小松隼也氏、玉井克哉氏、海老澤美幸氏、中内康裕氏、塩川泰子氏。業界及び法律実務に精通したプロで、それぞれの強みを最大限に生かし、連携しながら高質のリーガルサービスを提供する。

 三村氏は、知的財産高等裁判所判事、東京高等裁判所判事などを歴任。イッセイミヤケの「プリーツ・プリーズ」の模倣品について争われた事件をはじめ、裁判長として数々のファッション案件を担当。弁護士登録後も、ファッションショーにおけるモデルのメイクや衣服の選択の著作物性が争われた事件など、多数の著名事件を手がけており、訴訟に強い。

 小松氏は、弁護士登録後、プロカメラマンとしても活動する傍ら、米フォーダム大学でファッションローを専攻し卒業。高橋悠介の「CFCL」などではCLO(法務執行役員)も務める。玉井氏は、東京大学先端科学技術研究センター教授(知的財産法)兼信州大学教授。知的財産研究所ワーキンググループ座長として、現行の不正競争防止法制定に尽力したこともあり、立法経緯にも明るい。

 海老澤氏は、 宝島社で雑誌編集者を務めた後、海外留学。帰国後は『エル・ジャポン』『ギンザ』などでエディターやスタイリストとして活動、弁護士登録後は、ファッション業界の法律問題を中心に扱っている。中内氏は、弁護士業務と並行してバンタンデザイン研究所の社会人学生としてデザインやパターンを学び、自らも創作活動に従事している。塩川氏は長年、クリエイターやアーティストなどの法実務に尽力。商標実務に精通し、ブランド管理に積極的に関与してきた。ニューヨーク州弁護士の資格も持ち、海外取引での契約交渉などに強みがある。

「日本企業は行政への働きかけが弱い。ロビー活動にも力を入れていく」という(左から小松氏、中内氏、海老澤氏、塩川氏、玉井氏、三村氏)


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