《ミモザの日に考える》平和と地続きのジェンダー平等

2022/03/08 11:00 更新


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 3月8日は国連が定めた国際女性デー。かつて第1次世界大戦に反対する場にもなった歴史のある特別な記念日だ。最近では春の到来を祝福するミモザを添え、個々の生き方や幸せ、ジェンダー平等を考えるイベントなど活動が広がっている。今年は経験のない緊迫の中で、この日を迎えることになった。

 女性活躍推進法が改正され、4月1日から「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・届出」や「女性活躍推進に関する情報公表」が求められる。罰則規定はないが、義務の対象が「常時雇用する労働者数が101人以上300人以下の事業主」にも広がり、中小企業の多い繊維・ファッションビジネス業界も対応を迫られる。

 女性活躍が言われるのは、労働人口が減少する中で優秀な人材を確保する必要からだ。本来は性別は問わなくていいはずだが、「人類の潜在力の開花と持続可能な開発の達成は、人類の半数に上る女性の権利と機会が否定されている間は達成することができない」(持続可能な開発のための2030アジェンダ)という関係性にある。

 このアジェンダ(行動計画)は15年に国連総会で採択された。ここで掲げられたのがSDGs(持続可能な開発目標)だ。17のゴールの一つが「ジェンダー平等の実現」。しかし、これは「ゴール」以外の意味も持つ。17のゴール全てを実現する「手段」としても「死活的に重要な貢献をするもの」であり、同時にSDGs全体の重要な「目的」なのだ。それほど別格に重要なテーマと位置付けられている。

 共有したいのは、このアジェンダが冒頭に「より大きな自由における普遍的な平和の強化を追求する」と記した点だ。つまり、世界が取り組む持続可能な開発は、平和をより強いものにするためにある。その重要な鍵の役割を担うのが、ジェンダーの平等だ。一人ひとりの人間が性別にかかわらず、権利や機会を平等に分かち合え、自由な選択肢を持てるようにすること。これらを求め、私たちが今、自分のいるところでジェンダー平等に向けて前進することは、地球規模の平和と地続きである。

 「管理職ではなく、真のリーダーを目指してほしい」。ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション(WEF)名誉会長の尾原蓉子さんが女性たちに向けたエールには、後悔のない人生を全うしてほしいという思いがこもる。生き方と働き方は切り離せない。誰かに決められるのではなく、主体的に生きることで得るものは多い。組織に所属するか否かなどは関係はない。「自分の人生の主役・リーダーは自分」との気概を持とうという意味と受け止めた。

 女性たちが自由に生き働くことは、繊維・ファッションビジネス産業をより強固にし、成長も加速させる。個々人が自由で豊かに生きるための幅広い選択肢の提供が使命の産業である。小学校でSDGsを教材に子供たちが学ぶ時代に、ジェンダー平等の前進に取り組まないではいられない。今、動かなければ、優秀な人材からもステークホルダーからも見放されるだろう。

(若狭純子)

 リシュモンジャパン、バロックジャパンリミテッド、アダストリアのトップと女性管理職が考える「ジェンダー平等と多様性」とは?繊研電子版では、先進企業3社へのインタビューも掲載しています。

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