ミラノウニカの日本パビリオン 独自の素材に関心 にぎわい戻る

2023/02/07 11:00 更新


多数の海外バイヤーが訪れた

 1月31日~2月2日に開かれた国際素材見本市のミラノウニカ(MU)24年春夏。日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)とジェトロ(日本貿易振興機構)が主催する日本パビリオン「ジャパン・オブザーバトリー」(JOB)には、前回展から倍増以上となる26社がブースを構え、出展者不在エリアのJOBプラスも含め31社が参加した。20年2月展以来、3年振りの出展となる企業も多い。円安を追い風に、日本ならではの独自素材をアピールした。

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 コロナ禍による渡航制限の多くが撤廃されてから初となる今回のMU。前回展を大きく上回る来場社数となり、にぎわいを取り戻した。JOBにも多くのバイヤーが訪れ、「スワッチ依頼も多く、今後に期待したい」といった声が聞かれた。

 追い風となるのが円安だ。フジサキテキスタイルは、「従来から営業がそれぞれ海外顧客を持っていたが、会社として改めて輸出に力を入れていく」として初出展した。ウール100%の上質なジャージーなどに加え、自動車のエアバッグをリサイクルした生地への関心も高かった。新規も多かったことから、顧客に合わせたより幅広い素材を提案し、実績に結び付けていく。

ナイロン製エアバッグを再利用した生地を提案(フジサキテキスタイル)

 同じく初出展した西陣織の岡文織物は、昨年広幅のレピア織機を導入したこともあり、販路・用途開拓を狙った。シルクや金銀糸を使い洋服にも使えるような立体感のある素材を開発し、柄物の反応も良かったという。

独自の柄にも注目(岡文織物)

 前回に続き今回もJOBは、高級紳士服地メーカーが集まるエリアのイデアビエラのすぐ隣だった。パビリオンとしてのMU側の期待も高く、新しい魅力を継続発信していくことも求められている。「新規出展がどれだけあるかをバイヤーたちはしっかり見ている。次回展に向けて新規出展を更に増やしていく」(川島朗JFWテキスタイル事業統括ディレクター)方針だ。

 来年は、JOBがはじまって10周年となる節目の年。「日本素材は、歴史や市場でのポジショニング、多彩な産地などで高い評価を得ている。次のステージに向けて更に発展させていきたい」(古茂田博JFW事務局長)とし、ジェトロと連携した伴走支援による輸出拡大を図っていく。

(三冨裕騎、写真=マルコ・ベルトリ)



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