《めてみみ》左右されにくい構造

2025/04/18 06:24 更新


 乱高下している。寒暖差の大きかった3月商戦は「週ごとの気温変動で購買意欲が鈍化した」とみるファッションビルもあった。もっとも、中旬以降の気温上昇で薄手の羽織り物やブラウス、ポロシャツなども動き、主要ビルの大半が前年実績を上回った。気温に左右されない卒業式などオケージョン需要や新生活需要もけん引した。

 トランプ関税で為替や株価も値動きが激しい。大手百貨店の3月売り上げは免税売上高の減少などで軒並み前年割れ。影響が大きかったのがかねてから「高くなりすぎ」との声も出ていたラグジュアリーブランドなどの高額品だ。前年の値上げ前の駆け込み需要の反動と円高傾向が重なった。

 一方で免税件数は伸びている。大丸松坂屋百貨店の3月の件数は29.1%増、4月も免税売上高は9.1%減(14日まで)に対し、件数は17.6%増と2ケタ増が続く。大阪・関西万博効果への期待とともに、観光立国を目指す国策も変わらないだろうから、波はありつつも「右肩上がりに進んでいく」との見方だ。

 同社はインバウンドCRM(顧客情報管理)を進めている。海外富裕層とつながりを強め固定客化していく考え。他の百貨店も軒並み国内外富裕層との関係強化を方針に掲げている。先が読みにくい中で、外的要因に左右されにくい収益構造を目指す動きが広がりそうだ。



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